Thursday, February 25, 2016

ottawa

アメリカを離れカナダのトロントへ着きました。 何度も着ていると新鮮味もありませんが、カナダの首都です。 とは言ってもカナダの都市部はトロント、モントリオールが中心なので、ここは行政中心の中規模都市です。
英語圏の人が多いのですが、フランス語圏の人たちも多く住んでいるので、先日もカフェの隣の席に座っていた女性二人組は英語もフランス語もごちゃごちゃで会話をしていたし、自分の友達なんて母親はフランス語で、娘は英語で返事をするような変な会話をしています。。
月曜日は日中もマイナス15度より下で風があって寒かったのですが、ここ数日冷え込みがゆるかたようで、いつもならスケートで通勤する人たちで賑やかな運河もスケート禁止。



このブログにも何度となく登場している議事堂。
カナダの国立美術館。
ここの正面のクモは馴染みがあるかもしれませんが、六本木ヒルズにあるそれと同じ作者の作品。
お腹の中にある卵が生々しくエイリアンチックで、気持ちの良い作品ではないかも・・・。 
大変モダンな建物です。
フランスを代表する画家ドラクロアの小作品ですが、捕縛されたキリストの悲哀の表情に一票。
クリムトのHope。
このコンテンポラリー・アートの部屋にある青と赤のストライプ。 購入に際して物議をよんだ問題作だそうなのですが、一体この”絵?”おいくら万円だったでしょう??
両作品ともBarnett Newmanというアメリカの画家で、問題だったのは"Voice of Fire"という左の作品。 ただ単に赤と紺のラインを塗っただけのキャンバスに、1.8ミリオン・ドル支払ったと言うことなので、2億円と言ったところでしょうか・・・ 隣の作品も真っ黒の端っこに黄色の線があるだけで題名もそのまま”黄色の端”。。。
これをばかばかしいと思う自分は芸術性が足りないのか? いや、これを芸術と呼ぶなら何だって芸術だよ。。。


イヌイットの作品の展示などもあります。
美術館には何箇所かカフェも併設されているのですが、レストランのパテが美味しかったし、ロビーのカフェからはこの景色が眺められます。 今回始めてきましたが、そんなに混雑もしていないし、のんびりした午後を過ごすにはよい場所でした。

Tuesday, February 23, 2016

boston

シカゴからボストンへ飛んだ次の日の早朝からNYへ移動。
なほちゃんに髪を切ってもらった後からSOHOへ。

お友達の一人Ayakaちゃんのエキシビジョンが先週からSOHOのど真ん中で行われていて、偶然この日は最終日。 先週のNYでのトップ5のアートイベントにも数えられていた催し。
どのようなコンセプトで行われていたのか把握しないまま会場へ。
と、天井中に張り巡らされた赤い糸から垂れ下がった白いもの。。。 そこには坊主頭に変身したAyakaちゃん。。。 えぇぇぇぇ??? と驚いて聞いたところ、初日に剃髪したとのこと。
FBからお借りした初日の様子がこちら。
自分もここに来るまで知らなかったのですが、SOHOのど真ん中にLGBTに特化した美術館があって、そこの館長さんからの依頼で今回のエキシビジョンとなったらしいのですが、準備期間一週間でテーマを決めなければならず、かなり紆余曲折して、ギリギリで今回のGENDERLESS(日本語で言えば無性差かな。。。)
LGBTをテーマにした時に、どの人の顔の中にも父親と母親の要素があって、一見した時にそのせいを決定付けるものに髪型があるから、その髪を下ろして性を飛び越えようとしたのが今回の企画だそう。。。

彼女の誘いで美術館の館長さん(ここでは詳しく書けないものの、普通の世界に住んでいたら会うこともないであろう凄い人物)のお宅にもお邪魔させてもらえたり、その後も不思議な縁でまた会うことになった某人も含めて食事に行ったり、なんだか不思議な午後を過ごしました。
次の日はさっぽろのカツとじを食った後メトロポリタン歌劇場へ。
今夜はCavalleria RusticanaとPagliacci。
カヴァレリア・ルスティカーナは間奏曲が大変有名ですが、その曲想とは別に、なかなかどろどろとした話。。。
パグリアッチ(道化師)もかなり過激な愛憎が生む悲劇ですが、舞台がイタリアの小さな街、ニューシネマパラダイスのような設定で、楽しい道化師団から死人続出のクライマックスへのコントラストが激しいです。
この2作品は曲自体が感情と同調するオペラとして有名で、常に同時に公演されます。
カヴァレリア・ルスティカーナより。
道化師の悲哀を歌う場面。
奥さんの不倫の事実と、舞台での不倫劇の区別のつかなくなった道化師が殺人へと向かう場面。
狂気的なのに有名なオペラ。。。 
さて、ボストンへと戻ってきました。 週の初めはマイナス20度を下回る極寒!
この日はボストン交響楽団へ。 小澤征爾さんが去ってからもう長いですが、今でもボストン交響楽団は健在。 この日はシェイクスピアの400年記念と言うことで、チャイコフスキーの”ロミオとジュリエット”を含めた演奏。
客席には空席が多く驚いたのですが、ボストン交響楽団が日本に来たら大変な人気のはずなのに。。。 地元過ぎるからかもったいない!
京都にある小川珈琲がボストンにもあるんです。 さすがにドリップ・コーヒーは日本っぽくておいしい! もちろん雰囲気は日本のそれのようにはいきませんが・・・。
この建物は1773年の有名な”ボストン茶会事件”の相談の行われた会議場。
この港をティーポットにすると言われた船の襲撃事件。 イギリス本国からの植民地への税金の反発から、お茶に掛かる税金以外は撤廃されたものの、茶税逃れにオランダから輸入することも禁止、そのかわりお茶の在庫を大量に抱えてしまった東インド会社に独占販売権を与えることにしたものだから植民地側は大反発。 342箱のお茶を海に投棄したそうです。
余談ながら、これを期に紅茶を愛飲していた市民は紅茶ボイコットを行い、代わりにコーヒーを飲み始めたため、今ではアメリカは紅茶文化ではなく、コーヒー文化になったのだそう・・・。
面白い話ですね。


ボストンのど真ん中にあるこの公園がボストン・コモン。
独立戦争まではイギリス軍のキャンプ地で、その後処刑場と使用されたり、1830年までは牛が放牧されていたそうです。
その北側がビーコンヒル。
自分は夜ガス灯の燈ったこのレンガ造りの建物の中を通るのが好きで、ここは富裕層の住宅地になっています。
日本との縁も深いボストン美術館。
もう随分と昔に訪れてから足を運んでいませんでしたが、入館料が無料になる水曜の夕方前には仕事が終わったので、十数年ぶりに行ってきました。

無料開放日にしてはそこまで混んでなくて、ゆっくりと鑑賞できました。

自分の好きなマネの作品もありますが、ここにはカラヴァッジョはないんです。。。

モネの作品は充実していて、有名な”ラ・ジャポネーズ”をはじめ素敵な作品が並んでいます。


陶器のコレクションには初期のマイセンも。
ドレスデンのコレクションを思い出します。 この時期のマイセンはどっしりとした造形がたまりません。
新しい建物も増築されていて、素敵なカフェスペースなんかもあります。
ここは日本のコレクションが充実していることでも有名ですが、まるでお寺にでも入っていくようなぎぼしの欄干。

俵屋宗達の芥子。
ほんと、俵屋宗達の大胆な構図は、全く時代の流れを感じません。
とっても有難くて手を合わせたくなる平安時代の仏像。 大日如来を中心に四天王、不動明王などが並びます。

慶派の仏師、円慶という人の地蔵菩薩。
コンテンポラリー・アートのスペース。

コンテンポラリーな芸術は、美術も音楽もいまいち理解が出来ない自分・・・。


ここも広すぎて、なかなか根気が持たなく、全部をくまなく見るのは無理。
また今度機会があったら水曜日に来ます。
仕事帰りにクインシー・マーケットに寄って。。。
今回ボストンらしいものを全く口にしていなかったので、一人クラムチャウダーを食って帰りました。
来月には自分たちの公演していたアリーナで世界選手権が行われます。