Friday, August 10, 2018

auckland, north island trip

しばらくを過ごしたオーストラリアを離れ、いつも来る機会を逃していた初めてのニュージーランドはオークランド。
今日から一週間は休暇がもらえたので、日本から飛んできた母と空港で合流してダウンタウンへ。

到着した次の日はダウンタウン周辺を散策。
中心部にもほど近い丘がオークランド・ドメインと呼ばれる広い公園。

冬でも緑が多く、温室などもあって、植物を楽しみながら歩くには最適な場所。 丘のてっぺんには博物館があるのですが、オークランド市民以外には結構いい値段の入場料が掛かるのでここはスキップ。 
その後は丘を下ってパーネル・ストリートではちみつやニットのお店を回りつつ初日終了。
次の日はフェリーで30分ほどの場所にあるワイヘケ島へ。
ここにはワイナリーやビーチなどの自然が広がっていて、一日を過ごすにはいいところなんだそう。 hop-on, hop-offバスを利用して島を巡ることに。

大体決まったルートがあるそうなのですが、まずは港にも近いオネロアで朝食。
 高級そうな家の並んだビーチの近くにはカフェやレストランもあって、まずはここで腹ごしらえ。
そこからはワイナリーが何件か集まったエリアへ。 まずは"Te Motu"へ。
ボルドー・スタイルのワイナリーだそうで、Metro紙でオークランドのトップ50のレストランにも選ばれたんだそう。


気持ちのいい景色の中をワイナリーへ。
シーズン・オフと言うことでレストランは開いていませんでしたが、いくつかのワインを試飲。 ワイヘケでのワイン造りは1980年代に入ってからの事だそうで、その歴史はかなり浅いのですが、それでも短期間に評判のいいワインに成長したんだそう。
ニュージーランドのワインは世界のワインの1%としか製造されていなくて、ワイヘケのワインはさらにその1%だそうです。
ニュージーランドのあちこちで見かける椿。 しかし日本のそれよりかなり立派。
つぎに訪れたのはストーンリッジ。
人気のワイナリーのようですが、イギリスのガーディアン紙で、世界で最も訪れるべきワイナリーの一つにも選ばれたんだそうです。
ちょっとお高いランチを頂いて、その後テイスティング。
結構しっかりした味のワインが多かった印象。 なかなかいいお値段のボトルが多かったです。
丁度バスの時間を逃したので、次のバスが来るまでの1時間はウッドテラスでのんびり。
吹く風は多少ひんやりしていたものの、ここからの景色はまるで旅行雑誌の中にでも入ったかのようでした。

ワイナリーの後に帰路へ。
オネタンギのビーチで写真だけ撮って、

島が360度見渡せるというポイントのBatchWineryでも写真だけ。
そのまま港の近くのMudbrickVineyardへ。
ここでは一時間過ごして、最終のバスで港に戻ることに。
ラベンダーの咲き乱れる素敵なワイナリー。
暖炉の近くでスウィート・ワインを味わいながら夕暮れの時間を過ごして、バスの時間になったので外に出ると、なんとバスが現れず。。
南十字星の出た寒空の下で待つことしばらく、自分たち以外にもバスに乗れていない人達がいたので、バス会社に電話をして待つことさらに数十分。 用意されたタクシーが迎えに来てくれて無事に港へ。
それほど時間を置かずにフェリーが来てくれたので、そこまで時間をロスすることなくオークランドへ戻ることが出来ました。
さて、27日からはレンタカーで島を旅行。
まずは巨木カウリの森のあるワイポウア森林保護区を目指して北上。 緑豊かでのどかな丘陵地を、目まぐるしく天気が変化する中しばらく走って、まずはカウリについての展示がしてある”カウリ・ミュージアム”へ。
結構広い建物のあちこちに、入植してからどのようにカウリを伐採、製材、商品にして発展させてきたかなどが、マネキンなども使って分かりやすく説明してあります。
この一見琥珀に見えるのはカウリ・ガムと呼ばれるもので、簡単に言えば琥珀のように化石化する前の樹液の塊。 それでも数千年前のもので、地中に埋もれているものを掘り出したんだとか。 琥珀ほどの固さはないものの、装飾品にも加工されています。
カウリはとてもユニークな木で、成長するに従って下の枝は落ち、枝葉は上の方にだけ茂る為、幹のまっすぐ太い木になります。
正式な名前をAgathis australisと言い、ニュージーランドでも北島の北部、この辺りにしか自生していません。
イギリス人の入植時には、マオリの人達の森にはこの巨木が沢山あり、切り倒されては経済を支えたようです。 人と比べてもその大きさが分かると思います。
巨木のムク板。
写真ではこの大きさが伝わりにくいですが、かなり大きいです!

このような杢も出るそうで、一見ローズ・ウッドのようにも見えます。
ワイポウアの森に向かうちょっと手前にあるのが”トロウンソン・カウリ・パーク”。
ニュージーランドの自然公園はどこもきちんと整備してあり、大変歩きやすいです。
ここにも30分程度のトレッキング・コースがあり、緑の中をのんびりと散策することが出来ます。
この辺りは北島で最大のキウイの生息地だそうで、犬の連れ込みは禁止されています。
”キウイは犬にとってとっても美味しそうな臭いがする”んだそうです。

カウリの木もちらほら出て来ました。
時々茂みの間から驚くほど大きなカウリも顔を出します。

カウリの木の表面はウロコの様になっているのですが、これはヤドリギなどが表面の皮と共に剥がれ落ちるように、防衛本能が備わっているからだそうです。
大量の樹液が出ている部分がありましたが、これが数千年後にはカウリ・ガムになるのかな?

さて、ワイポウアの森へ。
ここにあるのが現存する最大のカウリ”タネ・マフタ”。
数分歩いていきなり現れるのがこの巨木!
マオリの言葉で”森の神”であると共に、パンテオンの神でもあるそうです。
幹の円周が13.8メートル、体積が244.5㎥だそうです。
距離があるので写真にとると細く見えますが、現地で見ると、その優しくも威厳のある姿に圧倒されます。
樹齢は1250年から2500年であろうと言われていますが、イギリス人の入る以前は樹齢が4000年を超える木も多数あったそうです。
次に向かうのはタネ・マフタから車で5分ほど戻ったところにあるこの場所。
この辺りの森に入る前には、どこにも靴の泥を落として消毒する場所があって、自然を守ることに関してはかなり敏感。

バサバサと木の枝を揺らしている鳥がいるので、何かと思って写真を撮ってみると、普通の鳩の3倍はあるであろう巨大な鳩。
後で分かったのですが、この巨大な鳩はニュージーランドバト(wood pigeon)と呼ばれていて、ニュージーランドではメジャーな鳥らしい。 しかし、その個体数は減らしているらしいです。

これがフォー・シスターズと呼ばれる、4本がまっすぐ天に向かって伸びている場所。
で、次に目指すは”テ・マトゥア・マヘレ”。
これは体積と樹高ではタネ・マフタに負けているものの、幹の太さは16.41メートルと、南半球で最大の樹。
しばらくすると、先を歩いていた母が”こっちに来てー!”の声。
そこに姿を現したのが”森の父”と呼ばれるテ・マトゥア・マヘレ。
茂みの中で堂々とした異彩を放つ、その威風堂々とした姿は圧巻。

威圧感と言うよりも、優しく包み込むような、しかし堂々とした雰囲気。
樹齢は2000年と言われているらしく、キリストの時代からここに根を張って歴史を眺めて来ていると思うと、なかなかに感慨深いです。
ここから30分ほど北へドライブして、今夜の宿のあるオポノニを目指します。
丘を下れば宿と言った時に眼前に現れたのがこの景色。
風景と日暮れ前の光と色が完璧過ぎて、まるで映画か絵画の中にでもいるかのよう。

ニュージーランドでは幾度となく息をのむような、記憶に残り続けるような景色に出会いましたが、本当に自然の豊かな国であることを実感しました。
そして宿。
部屋の裏からはビーチへそのまま出られるのですが、そこに広がっていたのがこの景色。
この写真、色の編集をしているわけではなく、実際にこのままでした。



朝は近くのコーヒー屋さんでコーヒーとブラウニーを買ってきてビーチで食事。
二日目のドライブスタート。
昨日通った森の中を引き返しつつ散策。 途中二本のカウリの間を道が通っているところがあって、ここは一車線の交互通行。
ニュージーランドはシンボルにもなっているシダがいっぱい! シルバーファーンと言う裏が銀色なものが有名なのですが、こんな巨大なものまで。
ヤシの木ではない、なんとも不思議な世界を創り上げています。
まるで太古の世界にいるかのよう。

トレッキングのコース内では道を外れてカウリに近づくことはできないので、どこかで樹をハグ出来るところがないか探していたら。。ありました!
生命力を感じます。



眺めの良い丘の上に近年に植樹されたカウリ。

今回ドライブのお世話になっているのは三菱。

ドライブの大半は、こういったなだらかな丘の広がる牧草地のなか。 雨、晴、あられと、目まぐるしく雲が流れ続けます。
ダーガビルに近づくころに道沿いにあるのがここカイフ・カウリ。
ここではカウリを使った製品などを販売しています。
もちろん現在はカウリの伐採は完全に禁止されているので、使われている材料は全て土埋木。これは過去に何らかの理由で倒れ、地中などに埋もれていた木。 
店内にはボールなどの数千円程度の物から、巨大なテーブルが数十万円から百万円ほどで売られています。
隣には天板などにも利用できる材料も売られています。

これは数万円から並んでいたので、もう切り出されることのないかなり貴重な材料でテーブルを造りたい方はどうぞ^^
自分は工作用にNZ$8で部材を買って帰りました。

この日の宿泊地Pihaに到着。
陽の沈む時間が近かったので、夕食を兼ねて海辺へ。
ここにも息をのむような景色が広がっていました。
ひんやりとした空気と、遠くまで遠くまで広がる海と空。
遠浅で穏やかな浜が、まるで鏡のように色づいた雲を映して、薄紫色の世界が永遠に広がっているかのよう。

薄紫の世界に母一人。
刻々と空がその姿を変えて、やがて陽が沈みます。


この浜のシンボルが”ライオン・ロック”。

さて次の朝、清々しい空気の中朝ごはんを済ませてトレッキングスタート。




波が砕けて霧になって、それがなだらかな山に流れていきます。



後から気が付いたのですが、よく見渡せばマヌカの樹があちこちに生えていて、可愛らしい小さな白い花をつけています。
こんなに沢山の樹があるのに、なぜマヌカ・ハニーはあんなに高価なんだ?
色々な病気の予防効果や治癒効果の言われているマヌカ・ハニーですが、あまりに高価だと、病気になってから薬飲んで治した方がはるかに安価。><


小さな入り江に、波のぶつかる大きな音が響いて怖いくらいの迫力。
なんだか不思議なエイリアンがあちこちに。



本来はここから別のトレッキングで有名な滝を目指す予定でしたが、現在コースの修理中ということで、そこは諦めて近くになるあの映画”ピアノ・レッスン”の舞台にもなった浜辺、カレカレ・ビーチへ。


緑豊かな道を歩くことしばらく。


先に海が見えて来ました。
と、この真っ黒な浜辺の広さ!!
これまた驚くような景色でした。

まるで黒い砂漠。

ピアノ・レッスンのポスターにもなったこの風景。

この近所にも滝があるということで、ちょっと足を延ばしてみました。




さて、Pihaを離れ、一路オークランドを通り越して、今夜の中継地点のハミルトンに到着してこの日も終了。
最終日、有名な洞窟ワイトモへ向かう途中、せっかくニュージーランドに来ているのに、本物のキウイを見ないで帰るわけにはいかないということで、オトロハンガのキウイ・ハウスへ。
キウイは夜行性で、一日20時間は寝て過ごしているということで、実物を見ようと思うと、昼夜を逆転させて飼育しているところでした見ることが出来ません。

キウイはニュージーランド各地に生息しているのですが、大きくは5つの種に分類できるそうで、最近はダチョウ目に含まれるようになっているそうです。
自分のイメージではもう少し小型だと思っていたのですが、大きさはニワトリくらいはあって、もちろん飛ぶことが出来ないほどに翼は退化していて、見た目では確認できないほどです。
夜しか行動しないために目もあまり見えていないので、その代わり鼻と耳はよいそうです。 もともとは1000万羽ほど生息していたそうですが、西洋人の持ち込んだ動物による捕食で激減、現在は3万羽ほどにまで減ってしまっているそうです。
右にあるダチョウの卵と比べてもわかるとおり、左にあるキウイの卵は体に対して巨大で、体重の4分の1もの大きさの卵を産むそうです。
真っ暗の飼育室で目を凝らしながらキウイを探すものの、全く現れてくれず、備え付けのモニターでのみ動いている姿が映っていましたが、一日10:30と13:30にある説明の時間になって、飼育員の人が餌を置いたら、ふさふさとした羽毛にぴょこぴょことひょうきんな姿で歩きながら現れてくれました。 器用に長いくちばしで餌をついばんでいましたが、昆虫やミミズ、あと結構甘いもの好きだそうで、フルーツなども食べるそうです。
園内には他にもニュージーランドを代表するような鳥が展示してあって、ユニークな鳥たちに出会うことが出来ました。
そこから車で20分ほど、ワイトモ洞窟に到着。
ここには世界でも珍しい、発光するグローワームというツチボダル(ヒカリキノコバエ)が生息している洞窟で、30分ごとのツアーで入ることが出来ます。
この蚊の幼虫は、洞窟の天井から数センチから数十センチの粘液を垂らして、そこに光をともすことで虫を誘き寄せて捕食するそうで、6~12か月くらいが幼虫、成虫には口が無いため、成虫になったら交尾、産卵だけしてすぐ死んでしまうそうです。
洞窟内は撮影禁止なのですが、洞内の奥深くまで入って行くと完全に真っ暗、ガイドの人が静かに船を滑らせて来て、それに乗り込んで広い天井が満天の星空のように光る場所まで連れて行ってくれます。
どのような感じかと言うと。。。ラピュタで坑道の中でポム爺さんが、石たちが騒ぐと飛行石の輝く様子を見せてくれた、まさにその時の感じ。


入植の頃からすでに観光地となっていたそうです。
無事にオークランドまで戻って旅も終了。 次の日母を空港まで送り届けて、自分も仕事。 沢山の豊かなニュージーランドの自然に触れることの出来た一週間でした。