Thursday, April 24, 2008

rome


さて、ローマに来るのはこれで3度目。
始めてきた時はアパートに一週間暮らして、ローまでの生活を楽しみましたが、まさかこんなに度々来ることになるとは思ってもいませんでした。 しかし、こんなに何度も来ても、ローマの全ての史跡と美術館、博物館を見て回るのは不可能で、その歴史背景まで勉強しようと思うと大変です。 


こんなに度々帰ってくるのは、ここでコインを投げるせいでしょうか?  ここが有名な”トレヴィの泉”。 夜に行ってもかなりの人だかりでした。


毎回来る度にこんな旅行者のようなことをしています。 ここに何度も手を突っ込む人もいないよね・・・。 今回は鼻の穴に手を突っ込もうと思っていたら、数人前の人がやっていたので却下!

彫刻家の中で、誰が一番好きかと聞かれたら真っ先に”ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)”の名前があがります。 ボルゲーゼ美術館を始め、街中も含め、ローマ各地に彼の作品が点在していますが、その表現の細やかさとドラマチックな演出で彼の右に出る人はいないように思います。 大体有名な作品はすでに押さえていたのですが、なぜかまだこのトラステヴェレのサン・フランチェスコ・ア・リーパ教会にある晩年の傑作”ルドヴィカ・アルベルトーニ”は見たことがなかったので足を運んできました。 全く人気(ひとけ)のない静かな教会で、ちょっと入るのに気が引けたくらい。 彼の作品は中央祭壇ではなく、正面向かって左奥にあります。



なんともドラマチックな演出で、宙に浮く天使の表現はとても350年も昔のものとは思えないほど大胆で、祭壇全体がまるで舞台と化しています。 まさにルドヴィカが至福の中で天に召されているその一瞬が表現されていて、とても人間の手による作品とは思えません。 彼の”アポロンとダフネ””プロセルピナの略奪””ダビデ像”などは素晴らしいですが、どれも一瞬のドラマをそのまま凍りつかせたような、しかし大理石の冷たさを全く感じない、人肌のぬくもりと肌の柔らかさに溢れた表現は共通です。 これも全く隙のない、美しさの極限までの追求によって生まれたものでしょう。 いや、感嘆。


今夜は楽しみにしていたオペラの日。
その前に友達と寄ったのがここのワイン屋さん。 オペラ座のすぐ近くて、リカー・ショップ兼リストランテ兼バーのようなところ。 店員さんもなかなか気さくで、お勧めを聞くとこうやって上のほうの棚から引っ張り出してきてくれます。 リカー・ショップを兼ねているので、店で飲んでも普通の販売代金と一緒。 ついでにおつまみも出してくれるのでとっても親切。 結局3人でボトル2本を空けて、お腹がすいたので食事を頼むと、メニューがまた紙切れに手書き・・・。 イタリア語で分からなかったので、これまたオススメを注文。 食堂っぽいけど、味はOKでした。 観劇前にこんなに飲んでもよかったのか?!



さて楽しみにしていたオペラ座での”トスカ”の公演。
トスカは1900年にここローマのオペラ座で初演が行われていて、マルゲリータ王妃なども聴衆に加わっていたそうです。 とりあえず今回でイタリア3大歌劇場全制覇です。
公演の内容は下記の通り。
tosca myrto papatanasiu
cavaradossi giuseppe gipali
scarpia silivio zanon
このトスカ役の彼女はなかなか素晴らしく、声も声量も役のイメージもピッタリでした。 見せ場の第2幕はかなり引き込まれて、アリア”歌に生き、恋に生き(vissi d'arte, vissi d'amore)”では会場の空気を一変させてくれました。 とてもドラマチックでいい2幕でした。
悪者スカルピアもピッタリでよかったのですが、ちょっとカヴァラドッシの彼の声量が少なかったのが残念。 最後の”星も光ぬ(e lucevan le stelle)”もあと少し押しが利いたらよかったんだけど・・・。 それでもクラシックな演出がなかなか好きでした。
自分はそんなにオペラ大好き人間ではないし、まだ初心者だけど、やはりNYのメトロポリタンオペラの方が素晴らしいと言うのが正直なところです。 クラシックな会場は舞台が見えにくい構造になっているし、舞台効果や演出、衣装やキャストの面でもNYが上だなぁとは感じます。



さて、ここはポポロ広場にある教会”サンタ・マリア・デル・ポポロ教会”です。
ここはラファエロが設計を担当して、彼の死後100年経ってベルニーニが完成させたところです。 内部にはかの有名な、自分もファンなカラヴァッジョの美しい絵が2点対で並んでいるし、ベルニーニの”ハバククと天使”もあります。 これも祭壇の枠から飛び出した演出効果で、まるで本当に天使がそこに降り立っているような感じを覚えます。 ちなみに教会前のポポロ門も彼の手によるものです。

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