Sunday, June 9, 2013

doha

成田を出てから10時間ちょっと、早朝4時過ぎにUAEのアブダビに到着、カタールまではあと1時間。
砂煙で黄土色に霞んだカタールの首都ドーハに無事到着。 空港の外に出ると、覚悟していたとはいえかなりの暑さ。 しかも熱風の強風・・・。
ホテルまでの道のり、エメラルド・グリーンの海を眺めながら、未だ建設中のビルやモダンなビルがあちこちに立ち並ぶ街を抜け、郊外にある高級ホテルに到着。 豪邸の一室の様な一人部屋を頂いて何だか勘違いしそうな感じ。 ホテル内には、頭から白い布を被ってサングラスをしたアラブの金持ち風な人達が闊歩して、女の人達も全身真っ黒にサングラス、唯一外に見えるカバンでオシャレをしている風。
庭の先には誰もいないプライベート・ビーチ。 いや・・・暑過ぎて服脱げないでしょ・・・。 この時点で41度、風速15メートル、砂が髪に肌に飛んできます。
夕方前、ビル群を見ようと街へ。 暑いのは当然として、風は強いし砂は痛いし・・・。


不思議な形のビルが、まるで建築物の博物館の様に並んでいるのですが、まだまだ新しいビルが建設中なので、中東の好景気は留まるところを知らないようです。


ダウンタウンの中心部にはアメリカ並みのモールがあって、その中にはスケートリンクまで。 やはり中東の人も涼しいところの方がいいのかねぇ?
一体このサインは何でしょう?
スタバです! マクドナルドなど、どこのチェーン店もアラビア文字で書いたらなんだかカッコいい!
次の日、ホテルの豪華な朝ごはんを楽しんだ後、唯一の休みなので旧市街の方を散策。
日中はあまり外を歩く人もいないのですが、観光の為には果敢に挑戦。 
はじめにこのイスラム芸術博物館へ来たのですが、開館がお昼からと言うことで、しばらく時間潰しの為に歩いていると、そこでカタール出身でドバイに住んでいるアリさんという人と遭遇。 話をしていると、今日は一日時間を持て余しているので、自分達を観光に連れ回してくれるとのこと・・・。
博物館が空くまでの時間スークへ行こうということで、"Souq Waqif"へ。 スタンド・マーケットと言う意味で、最近、昔のスークの街並みを再建している場所だそうで、内部はまるで迷路。 異国情緒120%。
 中東ではゴールド・スークなど有名ですが、ここには金や布、日用品からお土産、レストランやカフェが並んでいます。
ちなみに金は通常14Kなのが、ここでは18K、22Kまで取り扱っていて、純度が高いらしいです。 純金は24Kですが、純度が上がる方が柔らかくはなるそうですね。 聞くと一時期の金の高騰は落ち着きを見せているそうです。 これらの金はインドやその他の国から輸入されているそうなのですが、ガイドしてくれていたアリさん曰く、なぜ中東でそんなに金が売られているかと言うと、やはり富の象徴だそうですね。

 細い路地はまるで映画のセットのよう。 布を被ったアラブの人達もまるでエキストラ? テレビなどでよく見慣れた風景がそのまま実在していると思うと不思議な感じ。
 同じイスラム教でも、国によって服装は違うようで、アリさんはその違いを説明してくれました。 頭の布の巻き方も色々あって、一目でどこ出身か分かるそうです。 しかもスークの中を行きかう人達もカタールの人以外の割合が随分高いようで、お店の人達も外から来た人達が多いようでした。
 男の人達が頭から被っている布。 本物が欲しくて一枚購入。 布もピンキリの様でしたが、それなりの物を選んでもらって1000円ほどでした。
ところでアリさんはごく普通の普段着を着ていたので聞いたのですが、全身真っ白の布に身を包んで頭から白い布の衣装は、化繊で出来ているので意外に暑いそうで、汗かいたら臭くなるので着ないとのことでした。 ついでに全身真っ黒の女の人のことについても率直に聞いたのですが、モールなどで売っているカラフルな服やミニ・スカート、ノースリーブのシャツは黒の布の下に着ているそうで、”見えないオシャレ”はしているそうです。 隠していたんじゃファッションの意味がないように思えますが、それがここの女性の決まりごとなんですね・・・。
強風にはためくカタールの国旗。
スパイスのマーケットも並んでいるのですが、色々と珍しいものを見ることが出来ます。 右端手前の2つは御香の一種で、石や樹液の固まったようなもの、色々混ざっています。 イランの野生のにんにくの乾燥したもの、コーヒーに使うカルダモン、強力なにおいを発する香辛料の数々。 水煙草に使う乾燥した煙草の葉っぱ。 見ているだけで楽しいです。


この人が自分達を連れ回してくれたアリさん。 最終的にはタクシー、お茶、食事など、全て巧妙な手口で支払ってしまった凄技の持ち主・・・。 そんな行為に”カタールでそんな変わったヤツに出会ったことを思い出にしてくれたらそれで十分”とのこと・・・。 すぐにドバイに戻るそうなのでショーにも招待できないし・・・。 アリさん、本当に感謝です。
こちらはフォーマルなこっちの衣装。 ただ普段着に色の付いたガウンを重ねるだけなようですが、まさに中東のイメージそのまま。
さて、始めの目的地だったイスラム芸術博物館へ。 5年ほど前にオープンしたそうなのですが、イスラムの芸術文化を紹介する博物館で、入場は無料。 建物自体も大変にモダンです。

木製の船(現役)が並ぶ向こうには、砂煙に霞むダウンタウンが見えます。

内部も幾何学的で異空間。 大きく開いたホールは陽の光が眩しいくらい。
展示品はイスラム圏のあちこちから集められた、様々な時代の陶器、タイル、絨毯やコーランなどが整然と並んでいて、そのデザイン性の高さには驚きます。

なんだかお茶目な感じ。
9世紀のイラクのボール。 最近のロイヤル・コペンハーゲンのデザインもびっくりなモダンさ。


どれも9,10世紀のイランやイラクのものですが、現代でもなかなか真似できないような秀逸な作品ばかりです。

数多く並ぶコーランも芸術的で、そのフォントを見るだけでも文字の域を脱しています。 アリさん色々説明してくれたのですが、文字のルールがちょっと複雑・・・。 書き方は昔の日本と同じく右から左。
 


 






13世紀のシリアの壺。 この色とデザイン。 昔の人達お見事!
14世紀のエジプト、もしくはシリアのランプ。

 17世紀のインドの絨毯。 15mほどの長さがありましたが、これを作った手間と歳月を考えると気が遠くなります。


17世紀インドのワイン・グラス。 こんな大きなエメラルドの結晶があったことも驚きですが、それを加工した人もすごい。



まるで侘びと寂を知った掛け軸のよう。
 このイスラム圏でよく見る八角形の星。 三角形が上下重なってダビデの星になるように、これは四角形が重ねてあって、これは四角が土、空気、火、水の四大元素を象徴し、物質世界を表現しているそうです。

奥に見える渦巻きはモスクで、回廊でてっぺんまで登れるそうです。(もちろんイスラム教の人のみ)

あちこちに生えているこれはナツメヤシ。 いまいち認識がなかったのですが、自分が知らずに食べていたナツメはこれだったんですね・・・。
 こちらではシロップ漬けがあちこちで売られていますが、長期保存が出来て、炭水化物、食物繊維も取れるので、砂漠の人達には大切な食べ物で、紀元前6000年にはすでに栽培が行われていたそうです。



再びスーク・ワキーフへ。 途中ゴールド・スークで友達は18Kでアラビア文字の名前のネックレスを注文。自分は安価なシルバーで注文。 ちょっと出来上がりが楽しみ!


日が暮れるとエキゾチックな雰囲気が倍増。 暑さのほんの少し和らいだ日暮れ、レストランのテラスに座っているとワインの一杯も飲みたくなりますが、ここはイスラム圏。 アルコールはご法度です!
やはり砂漠地帯にはラクダでしょう。
帰り、1日中付き合ってくれたアリさんが友達を呼んでくれてホテルまで送迎。。。 どこまでいい人なんだ。。。 途中夜景の美しいダウンタウンでも停車してくれて、しばらく海から吹くちょっとだけ涼しくなった風に吹かれ、中東の休みの一日は終了。 

2 comments:

Chiaki said...

何ともエキゾチックですね。
中東は古くから文化が栄えた地域ですし、気候や習慣や風俗なんかも全く違うので興味深いことがたくさんありそうですね。
カタールには、イスラム教が入る以前のペルシア帝国時代の物なんかも遺されているのでしょうか。

ISAO said...

イスラム圏の国には今までもいくつか行ったことはありますが、やはりこの地域の宗教色の濃さには違いを感じます。 お隣サウジアラビアなどは異教徒が入国するには困難ですし、開けて来ているカタールなどでも、服装や行動には気を付けないといけない部分は多いようです。 ショーでも肌を出しているプリンセスはみんな肌を隠しているし、ライオンキングのプンバは豚な為排除。。。 足の見える振付も変更です。
ドーハは埋め立てされた部分がほとんどらしく、遺跡などは見当たりません。 他の地域には昔の面影を残す部分もあるそうなのですが、いつか時間があれば、歴史的地域も巡ってみたいものです。