Tuesday, July 3, 2012

the mission

再びアルゼンチンはコルドバへ戻って来ました。
世界で3本の指に入る大好きな国アルゼンチン。 また戻って来られたなんて本当に幸せ!

まずはこの映画をどうぞ。 そう名作の"The Mission"です。 この映画は1750年ころにスペイン植民地下の南米パラナ川上流、イグアスの滝を舞台に、先住民のグアラニー族(現在パラグアイの貨幣単位はグアラニー)へのキリスト教の布教に従事するイエズス会宣教師の生き様や葛藤を史実をもとに描いています。 これを頭に今回のブログをどうぞ。

コルドバではさっそく8日間の休みだったのですが、この時間を使ってブラジルとの国境にあるあの“イグアスの滝”へ行って来ました。 この仕事を始めたころから一度は行きたいと思い続けてもなかなか機会がなく、やっと念願かなって行くことになりました。

まずコルドバからCrucero del Nortesyaのバス(480pesos=$106)で昼の12時半発到着次の日の朝9時。 途中休憩のない21時間の超長時間バス旅行です。 途中食事は出るのですが、期待はしていなかったもののまぁ、これは大変貧相な食事で、ある程度の食糧を持ちこんでいたのは正解でした。 途中10回程度は停車したでしょうか? でも降りることはできないので、これを読んでバックパッカーしようとする人は必ず食料の携帯を。 コンセントがなかったけど最後までIpodの充電が持ってくれたのは助かった! あと、5本くらいは映画も上映(英語でスペイン語のサブタイトル)

無事にPuerto Iguazuに到着。 本来はここの後西北部のサルタへ行きたかったので、バスターミナルにあるバス会社を数件当たってみたのですが、そこへ行くには最低乗り換えで28時間は掛ることが判明・・・。 さすがにスケジュール的にサルタへ行くのは無理だったので、急遽プランBで、ここへ2泊した後にパラグアイのグアラニー族とイエズス会の遺跡を訪ねて帰ることに。

トリップアドバイザーで高レーティングで一番安かった宿、"Residencial Noelia"へ。 宿はきれいだしオーナーは大変親切で、急に一泊増やしても対応してくれ色々と助かりました。

宿を出たのが昼前。 広いアルゼンチンサイドを全て回り切れるかちょっと不安でしたが、宿のオーナーがコースを説明してくれたので、それをもとに出発。 プエルト・イグアスの街から公園入り口まではバスで往復20Pesoで約30分。 入場料を払っていざ出発!
案内に従ってトレイルを歩いて行くのですが、森の中を歩いて行くので取っても気持ちがよくて、しばらくすると湯気のように滝のしぶきの舞い上がる様子が目に入ります。
長い帯のように続く滝の始めがこれ。 あまりの轟音にちょっとひるみそうになります。 マイナス・イオンを通り過ぎて凄まじい飛沫・・・。 水浸しになります。なにしろすごい轟音。 迫力満点です。さて、手前と奥にある2つの滝に突入するアベントゥラ・ナウティカ。まずは両方の滝へ行って写真を撮らせてくれます。 川のレベルに降りると滝の高さに驚きます。 前の船が滝の下にいるのが分かりますか? 次にそうなるのは自分達・・・。う~・・・波も高くて滝が近い・・・。 カメラはもらったビニールの袋に入れてぐるぐる巻き!
ドドドドドドドドドドド~~~~~~~~ッッッッ!!!!!! ”はい、もう一回?””もうぃぃぃぃぃぃ!!!”問答無用で何度も滝の中へ・・・。 あまりの水の勢いの強さに息も出来ないし水も飲んで溺れそう・・・。上から下までグッショリ・・・。 全く手加減なしです。 いやぁ・・・一生忘れられない経験です。 ミッションで滝に流されたらこんな感じかぁ・・・?引き続きトレイル。 写真では大きさが分かりませんが、この蟻2センチ近くあります。 アゴ強そう・・・。秘境の地と言うか。桃源郷があったらこんな風景かなぁ・・・。 もし密林を歩き続けてこんな景色に出会ったら神を感じるだろうなぁ。
トレイルはずっと滝の上を歩きます。
あちこちに何本も虹が掛っていて非日常的な風景。最後にメインの“悪魔の喉笛”その名も"Diablo"へ! 園内を走っている電車で10分程度。 1.1キロ続く川の上のトレイルに到着します。
園内では500種類ともいわれる蝶があちこち無数に舞っていたり、ハナグマが群れで現れるのですが、ちょっとねずみチックなこんな動物もよく現れます。鳥も鮮やかなら食べられている超も鮮やか!延々と広大な川の上を歩いて行きます。その川の広さと水量の多さは驚きです。しばらく歩くとその先に悪魔が口をあけています!再び轟音と水しぶき。 滝壺はその水しぶきが舞い上がる為に見えません。 もうナイアガラの滝なんかでは感激出来ないであろうド迫力。 一体水量がどのくらいか分かりませんが、絶え間なく怒涛のように落ちていく水の塊を見ているとこちらまで引き込まれそうな錯覚に陥ります。延々と続く水のカーテン。 いやぁ・・・すごい水の量。このド迫力が自分のつたない文章では伝えられないのが残念ですが、世界中あちこち行った自分でも圧倒される風景なのは確かです。再び全身しっとり・・・。
昼から出発しても余裕で夕方までにすべてを回り切れました。
日暮れにはプエルト・イグアスに戻って食事に。 そこで旅行中の日本人の3人家族に会ったのですが、ジャイカでしばらくの間ドミニカへ派遣員として滞在されているらしく、大変明るく和気あいあいとしたご家族で、短い時間でしたが、ドミニカその他の話で盛り上がりました。 小学校高学年か中学はじめくらいの男の子連れでしたが、その時期にこんな中南米などで国際的な旅や交流が出来るなんて羨ましい限りです。 楽しい出会いでした。さてイグアス2日目。 今日は国境を越えてブラジルサイドの滝へ。ブラジルサイドの滝へは一度ブラジルサイドの街フォス・ド・イグアスへ出てからバスを乗り換えて行く方法もあるのですが、プエルト・イグアスのバス・ターミナルからCrucero del Norte社のバスが往復50pesosで出ているので、それを利用した方が手間と時間的にもいいと思います。
ここはアルゼンチン側の出国審査。 バスはちゃんと手続きの為に停まってくれます。
ブラジルへの入国では日本人はVISAが必要ですが、自分達は仕事のビザがまだ有効なので申請の必要なし!両国の国境イグアス川。
と、ブラジル側に着いたら入国審査課と思いつつ・・・そのまま通過・・・。 VISAのチェックしないのぉ?? だったらここへ来る為だけにVISAを申請した人はその手間と費用が無駄じゃん? とりあえず無事に国境通過して、計約40分くらいでブラジル側の公園入り口に到着。こちらの入口はアルゼンチン側と違って、まるで遊園地に来たかのよう。 設備もとっても充実していて、ブラジル側の方が歩きやすかったです。入り口から園内を走るバスに乗って途中下車、ここから滝を眺めながら一本の道を奥の滝に向かって歩きます。こちらからアルゼンチン側を眺めると、その滝の全体像が見渡せます。 滝の上を歩くようなトレイルではないですが、景色は大変素晴らしいです。赤やブルー、オレンジなど様々な色の蝶が無数に舞います。いや、この世のものではないような幻想的な風景です。ブラジル側もアルゼンチンの迫力に負けてません。 一番先まで歩くと滝の真横まで出ます。そこから滝の真ん中まで遊歩道が続いているのですが、あまりのしぶきの激しさに、そこから帰ってくる人たちのずぶ濡れ状態を見ると足が止まります。
が、意を決して先へ進みます。カメラを体の前に抱えつつ先へ進みます。 足元の流れは早く、滝の真上を歩きます。遊歩道の先端に舞っていたのはこの丸い虹! ほぼ300度くらいの円形なのですが、全部がカメラに収まらないのが残念。 もうこの時点で頭から足までビッチョリなのですが、悪魔の喉笛も、ここから見ると天国への入口と言ったとこでしょうか。
さすがに長時間この景色を眺めることはできませんが、いや、どこを眺めても別世界を目の当たりにしているようです。遊歩道はこんな感じ、シャッターを切ったこの時点ではまだ飛沫の少ない方。 風が吹いた時には嵐のようです。滝の上に戻ってから遊歩道を眺めた様子。 凄まじい風景でした。
展望台をに上がるとこんな感じ。 床が透けてるのに気が付いて背筋がゾッとしました・・・。
滝をGoogleEarthで見るとこんな感じ。 西がアルゼンチンで東がブラジル。 その滝の中心が悪魔の喉笛になります。 どれだけ大規模な滝かが伝わるでしょうか?今夜はこれもトリップアドバイザーで高レーティングだったレストラン"AQVA"へ。 大変サービスのいい気持ちのいいレストランでしたが、そこで試したのがこの"PACU"。 アマゾンや周辺の川にいる、随分と大きくなる魚だそうですが、脂の乗った白身で大変美味しかったです。 言われなければ全く川魚とは分からないサバのような味でした。旅3日目。
早朝にプエルト・イグアスをバスで発って、5時間でパラグアイとの国境Posadasへ。 同じバス・ターミナルからInternationalと書かれたパラグアイの街エンカルナシオン行きのバス(6pesos)に飛び乗っていざ国境越え。 色々なバックパッカーのブログには、ここの国境越えはバスに置いて行かれるので注意するように書いてあったのですが、まずはアルゼンチンの出国審査。 両国を隔てるパラナ川の手前に来ると乗客が我先にと降りる様子。 自分達も急がないとということでダッシュ! なんとか出国のハンコを押してもらってバスに飛び乗ってセーフ!2.5キロもあるパラナ川。 まるで湖のようです。
川を渡り切ったらパラグアイの入国審査なのですが、多分現地の人たちはこちらでの入国審査は必要ないようで、ここで降りたのは5人だけ。 ”え?ここ??”みたいな窓口でパスポートを渡して入国手続き。 ハンコをもらったらダッシュで走りかけのバスに飛び乗ってセーフ! 5人目の人は置いて行かれました・・・。 なんでここで急ぐのかが分からないのですが、とにかく、ほかのブログにもあるようにここの入国審査は急がないと次のバスまで待たされて時間をロスします。(付近にはタクシーもいません。)
さて、エンカルナシオンの中心部であろうところでバスを降りてATMでお金をおろしたのですが、ぎゃ~!単位を間違えた・・・。 半日しかいないのに1,500,000グアラニー・・・。 15万って・・・。 ゼロが多すぎて数え間違えたぞ・・・。 これって約$300ちょっと。 うぅぅぅ。 アルゼンチンに帰ったら換金だ。
ここから目指すは30キロ先にあるイエズス会の教会集落の跡“トリニダー遺跡”。
バスもあるそうなのですが、時間のロスを考えてタクシーの運転手と交渉。 往復で250,000グアラニー($55)で商談成立。 現地の物価にしたらちょっと高いかなとは思ったものの、往復60キロだし3人いるし、割ったら安いのでお願いしました。 
40分くらいで遺跡に到着。
ここはパラグアイで唯一の世界遺産なのですが、ここは”イエズス会伝道所群”のなかでも一番保存状態がよいと言われる”ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ”。
ここは1706年に建造されたそうなのですが、映画ミッションにも描かれたとおり、イエズス会は現地民族であるグアラニー族へのキリスト教の布教の為にやって来ます。
この伝道所は自給自足の集落で、一時は4000人もの人々がここで共同生活をしていたそうです。正面にあるのが教会。 今は崩壊していますが、当時このように大きな建物を密林の中に見たら、神の力を信じるかもしれませんね。周囲には先住民の人たちの住居が並んでいるのですが、そのた集会場、学校、作業場などがあったそうです。
これは原住民のキリスト教化を進める拠点として建設が進められたそうですが、その理想は高く、強制労働や奴隷狩りから逃れた先住民なども受け入れていたようで、平和な集落を形成していたようです。一見レンガを積んだように見えるのですが、どうやら切りだした砂岩のようです。 当時何もないところからこれだけのものを築き上げた信仰心に脱帽です。もちろんその裏側には政治的意図があったにしろ、ここへ辿り着いたイエズス会の人たちは信仰を広める善行の為に来ていたわけであって、遠く離れた密林地帯までやって来て、1つの道を真っ直ぐに進みつつこれだけの事業を成し遂げた、その精神の強さ。 そんな高い理想と信念のもと築き上げられた伝道所も、1767年にスペイン王によるイエズス会のアメリカ大陸からの退去命令が出て崩壊します。映画でも音楽によってキリスト教を広めたように描かれていますが、壁には音楽の天使の彫刻。2人の天使達。 その他レリーフも美しく、当時の様子がしのばれます。先住民的要素とヨーロッパの文化が融合したような面白い彫刻です。崩れた建物やレリーフなど、そのまま放置されたように並べてあるのですが、もっとちゃんと博物館など建てて展示した方が・・・。 雨にさらされて風化の一途を辿っています。 多分政府にそんな予算はないのでしょうが、こんなのポケットに入れて持っていかれたらそのままだよ・・・。 どこかのマーケットかアンティーク・ショップにに並ぶ羽目になったら大変だよ・・・。教会の壁のレリーフですが、写真で見ると分かりにくいものの、多分キリストと弟子の様子でしょうか。 砂岩なので風化も早そう・・・。 美しいレリーフ、誰かちゃんと保存してあげて!博物館などやここの地図など、当時の様子を知る資料がなくて残念。
広大な敷地を行きかう原住民とスペイン人の様子を頭に描きます。タクトを振る絵。とのこと・・・。 でも1750年ころにタクトってあったのか? 確か当時は杖を打ってリズムを取っていたはず・・・。 詳しい人教えて下さい。エンカルナシオンの中心部。 街のあちこちには日本語の名前の看板もよく見掛けるのですが、公園には日本庭園を模した一角もあって、日本からの移民も多いことを感じます。帰り。 ラッシュ・アワーが近かったせいかバスもいっぱいで、出入国審査もドキドキ。 パラグアイ出国の際は出る人も少ないので取っても曖昧。 ちゃんと外を見ながらバスを降りないと、そのまま出国印をもらわずに国境を超えることになるので注意! 出国はバタバタと急ぎ足で無事通過。 橋を渡ってアルゼンチンへ入った時点でトラブル発生。 ここの入国は行列になるのですが、自分が通過した時点でまだバスが待ってくれていたので乗ろうとしたら一人メンバーが見当たらず・・・。 よく見たら審査で引っかかっている様子。 くぅぅぅ・・・。 無残にもバスを見過ごして待つ羽目に。
結局彼もしばらく後に通してもらえて、30分後くらいに来た次のバスでPosadasへ戻りました。
夜の9時半発ーコルドバ昼の1時着のExpresoSinger社のバスで帰路に。 このバス会社は行きのバスと違って大変快適で、食事にワインは出るし、席もゆったり。 楽々帰ってくることが出来ました。
コルドバに着いて急に寒くなっていたのでビックリ。 半袖のままで着いたので震え上がりました。
降ろし過ぎたパラグアイのグアラニー。 ゼロの多さに目がチラチラしそうです。 これから街に行って換金して来ますぅ。
安全に楽しい旅が出来てよかったです。
またビデオがアップ出来たら後日載せます。

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