Friday, March 6, 2015

valencia

スペインの中でも大好きな街のひとつ、オレンジの香りの漂うバレンシア。 そんなバレンシアは世界遺産も多く、見所満載。 ここに来て一気に気候もよくなって、もう外出は半袖。
ここは外壁の装飾が繊細華麗で、街の中でもひときわ目立つ”国立陶器博物館”。 もともとはドス・アグアス侯爵の館。 そこにゴンサレス・マルティなる学者で陶器コレクターのコレクションが展示してあります。

なんといっても一番美しいのがこのファザード。
雪花石膏に彫刻された18世紀の作品で、しばらくこのファザードの正面のカフェで眺めていましたが、ストーリーを想像するだけで楽しかったです。

見学に来ていた小学生の団体はみんな道路に寝転がって眺めてました。 怪しい生き物も彫刻されていて、子供の想像力は広がりそう。
中は陶器のみならず、建物自体も素晴らしいし、そのほかの展示物もあります。
これは18世紀のキャリッジ。 ベルリンと書いてあったので、今で言うキャンピング・カーのような感じ?
陶器マニアな自分にはたまらないエリア。 バレンシアのタイルを中心に展示してあります。
イスラムの影響うも受けて、タイル産業の盛んなスペイン、ポルトガルエリアですが、真ん中の小さいものは15世紀のもので、なかなか古いものです。 街の骨董屋さんで見つけて自分のコレクションにも加えました。 昔のタイルがなぜ好きかと言うと、やはりその色と素朴さ。 現代のタイルではない厚ぼったくて暖かいい色合いと雰囲気がいいんです。 地の乳白色も本当に暖かい色味です。
さすが侯爵邸。



チャペル。
サラゴサの辺りでは今でもこれにそっくりな陶器が売られています。
モスリムによって10世紀頃からの影響を受けているそうです。


色合いは古伊万里にも似ているのかも。 日本人に馴染みのある藍の色。

やはり伊万里のようですね。
昔のバレンシアのキッチンを再現した部屋。 1957年にゴンサレス・マルティ本人によって再現されたそうです。

ここはマイセンの部屋。 椅子まで陶器です。



サンルームのように日の光の差し込むボール・ルーム。


広場は日の光がさんさんと差していて、もう初夏のような陽気。 オレンジの木には実がたわわになっています。
ここは以前にもブログに書きましたが、キリストが最後の晩餐で使用したと言われる聖杯が収められているカテドラル。 その手前がミゲレテの塔。 ここの上からの景色がいいのですが、以前も上がったので今回はパス。

このファザードの美しさ! まるで岩の壁のようですが、その装飾は繊細です。
聖杯のあるエリアは有料なので、今回は入りませんでした。 気になる方は前回来たときのブログにジャンプ!
有名な市場。


この巨大なイチゴと巨大な柿を2つ、新鮮な絞りたてのバレンシア・オレンジのジュースを買って5ユーロちょっと。 安いし美味しい!! 市場の周辺には美味しそうな屋台やレストランも多いです。
夕方からは、ここが発祥のパエリアを食べるべく海へ。

泳げるほどは暖かくないですが、それでも日光浴をする人達もちらほら。
ここでカメラのバッテリーが死んでしまったので、美味しい場エリアの写真は載りません。あしからず。。 しかしスペイン料理全てに共通しますが、パエリアも塩分高い・・・。 たぶんスペインに住んで1年外食生活続けたら血管切れて死んでしまいそう。。。
教会の壁ですが、石材が足りなかったのか?壊れた彫刻まで埋め込まれてる・・・。
この後昨日シエスタ中で行けなかった骨董品屋さんに行って、15世紀から17世紀までのタイル3枚購入。 ちょっと重いけど持って帰ります。
バレンシアの街へ入る城門"Torres Dels Serrans"。 景色がよさそうだったので登ってみました。
下を見るとちょっと怖いくらい。 1392年から1398年にかけて建設されたそうです。


気持ちいいと言うか、強風過ぎて飛ばされそう・・・。
昼食はイベリコ豚。 先日バルセロナで食べた豚のほうが柔らかくて美味しかったかも。。。
そして次は、今回のヨーロッパツアーでも楽しみの一つにしていた、リヤドロの工場見学!
世界中にファンの多いフィギュリンを中心に有名な陶器メーカー”リヤドロ”。 バレンシアの家の中庭で陶器の人形を作り始めた3兄弟が、たった一世代で世界に名前を広めた会社。
しないから地下鉄ですぐの郊外、畑の中にその工場はあります。
起業したのが約60年前なので、その急成長は驚くべきものです。

ここがその工場で、リヤドロの作品の製作から生産まで、全てここで行われています。
ツアーはネットや電話で予約でします。 ツアーの入り口が分からなかったので、入り口の守衛さんに聞いたら事務所の待合室へ。 3時きっかりにスーツ姿のガイドさんが来てくれたのですが、どうやら見学は自分ひとり。。。 完全なプライベート・ツアーになってしまいました。
工場内は撮影禁止だったので、ウェブサイトからいくつかの写真を拝借しました。
写真の通り、見学をさせてもらえるエリアはどこかの研究室のよう。 たった一人の見学なのに、みんなちゃんとデモンストレーションまで見せてくれて感激!
はじめは型を取るところから始まるのですが、デザインは全てここの工場のデザイナーさんが行い、粘土型、それから型枠を作ります。
本体を作る粘土は石膏のように液状で、組み合わせた型に液体を流し込んで数分経つと、再び液状の粘土を流しだします。 物の大きさにもよりますが、大体20-40分ほど放置して型を外します。 以外に短時間で固まることに驚くのですが、型を外すと細かなパーツに分かれたプラモデルのパーツのような物が出てきます。 小さな人の人形でも、胴体や顔や足、手にいたっては親指とそのほかの指といったパーツに分かれていて、なかなか細かな作業です。
その多くのパーツは全てプラスチックの箱に入れて、一定の湿度を保ちつつ自然乾燥。
そして乾燥が終わったら組み立て。
これがまた大変そうな作業・・・。 分かれたパーツを組み立てるのもそうですが、型枠から外したときに出来た跡など、全て手作業でクリーニングしていきます。 接着は同じ液状の粘土で、なかなか神経を使いそうな作業です。
続いては絵付け。 見本になる完成品を見ながら、全てを手作業でこなしていきます。
特に人形で大切なのは顔! 顔の絵付けは専門の人がいて、その人のデスクにはいろいろな人種をはじめ、様々な動物の顔の完成品モデルが置いてあって、それを見ながら忠実に描いていました。 顔一つ描くにしても色を何色も使用していて、とても細い筆で描いていました。
後、リヤドロの代名詞と言えば花ですが、これも1つ1つ細やかな手作業で出来ていて、色粘土を細かく延ばしては、花びら一枚一枚を製作して、その花びらも一枚ずつ角度を付けています。 熟練な作業で、1つの花を作るのが1分ほどでしたが、かなり多くの花をあしらった作品もあるし、気が遠くなりそう・・・。
ただの陶器の置物ですが、これだけの人の手と時間を介して出来上がっていたのですね!!
併設の展示エリアには、ほぼ全ての作品が網羅されていて、自分もコレクションしている"The Guest"もありました。
ハイミ・アジョンの企画で始まった、世界250体限定のThe Guestシリーズですが、それももうすでに6種類。 最新作はあのポール・スミスですね。 ちなみに自分の机にいつも置いているのはミドリの、日本のデビル・ロボッツとのコラボレーションの作品。 発表されてすぐにNYで購入したのでシリアルナンバーは一桁台だったはず・・・。

これらもこの様に一体ずつ丁寧に製作。
最近発表された日本人のデザイナーとのコラボレーション。 最近は柔らかなクラシックな作品の枠を飛び越えたような、挑戦的な企画が多いのはいいことですね。 粘土の可能性はもっと大きいはず!
以前もこのエリアに宿泊していたのですが、ここは奇妙な建物の立ち並ぶ”芸術科学都市”。


とってもコンテンポラリーで近未来的な建物が並びます。
水族館や劇場、科学展示エリアなどがあるのですが、1998年から建設が始まって、完成したのが2005年。 と言うことは、自分が以前ここに来たときは出来て間がない頃だったんですね。

ちょっとナウシカな世界。

さて、次はマドリッド。

No comments: