
朝9時、サンティアゴを発って一人旅。 アンデス山脈を越えてアルゼンチンのワインの里メンドーサへ行って来ました。

サンティアゴを発って2時間もすると、岩山の切り立つ谷へと、アンデス山脈の中へと入って行きます。

5000,6000メートル級の山々が当たり前のように眼前に現れます。


だんだんと雪深く、スキーをする人たちの姿も見られます。

チリとアルゼンチン側にそれぞれイミグレーションがあるのですが、チリからアルゼンチンに向かう際は、アルゼンチン側のイミグレーションで、チリの出国とアルゼンチンの入国処理を同じカウンターでそれぞれの国の係員が行います。 荷物も全てバスから出して検査するので、通過するのに30分くらいはかかりました。

その後も砂嵐舞うような場所の検問でも30分以上止められたりしましたが、とりあえず予定通り7時間の行程で憧れのワインの里メンドーサへ到着しました。

町の中心のインディペンデンシア広場。 沢山の出店が並んでいてなかなか楽しい場所です。 町を歩くとワイン関係のお店も多く、さすがワインの大生産地。

夕食に入った店でも、どう考えても普通の店で出るワインの量の倍・・・。
明日は丸一日をワイン・ツアーに費やそうとは思っていたのですが、一般的なMaipuと言う産地へ行ってレンタル・バイクをして回るか、それともちゃん車で回ってくれるツアーに参加するべきか決めかねていたところ、町にあったツアー会社"Trout&Wine"へ行って相談。 アイルランド出身というボスの人が色々と説明をしてくれて、ツアーに参加することに。 Maipuは歴史的には古いものの、今はトラピチェなど大企業はあるものの、景色もよくないし、やはり車じゃないと、広範囲にワイナリーの広がるメンドーサは回れないとのこと。

朝8時45分丁度にホテルに迎えが来てくれて、途中オーストラリアとカナダの女の子達を拾っていざ出発。 ガイドも地元のソムリエを目指している女の子で、結局黒一点。 このガイドの彼女もさすがにソムリエを目指しているだけあって知識が広く、1日で沢山ワインについて沢山勉強になりました。
まず、メンドーサは砂漠地帯。 とっても乾燥しているし、水は全てアンデス山脈からの雪解け水。 それだけに水量も限られていて、その管理は徹底されているそうです。 各ワイナリーに割り当てられている水の量は決まっているらしく、それに違反して取水をした際にはかなり厳しいペナルティーもあるそうです。 が、1年に360日晴れと言われるだけ日当たりは最高だし、水の管理が徹底されている分、ブドウの糖分量が高く安定しているそうです。 その為、メンドーサに限っては葡萄の当たり年やはずれ年はないそうです。
後、ここのブドウの大敵と言えばアンデスから吹き下ろす強風。 特にブドウの収穫時期に吹く風を防ぐためにブドウ棚には防風網が張り巡らしてあって、それだけでも結構なコストだそうです。
そんな予備知識を入れてから、まずはじめに到着したのは小規模なワイナリー"Mendel"。

ワインは葡萄の糖分をアルコールに発酵させますが、ここで使うのはこのステンレスの巨大なタンク。 真ん中にあるのは摘み取ったブドウを選別する機械。
発行してアルコールとなったワインを入れるのがこのオークの樽。 ここでは味を均一にする為に、3カ月ごとに全てステンレスのタンクに戻して、再び樽に戻すという作業を繰り返しているそうです。 この樽、今回行ったどのワイナリーもフランス産のオークを使った樽を使用していました。(一樽1000ユーロもするそうで、寿命は2~3年、その後はタダ同然で園芸業者などに売られるそうです)
ワインは樽の名がで熟成することでオークの香りが移って、あの独特な香りになるそうです。 その為新品の樽を使うのと、何度か使った樽を使うのかで、味も値段も変わるようです。
一通りの説明がすんだら早速試飲! はい朝の10時です。。。
もちろんアルゼンチンのワインと言ったらマルベックですが、このマルベック、自分は他の国では生産されていないのかと思ったら、もともとはフランスのブドウで、現地ではブレンド様に作られていたりするそうですね。 タンニンが多いのが特徴です。
う~ん。 やっぱりこのしっかりとした味のマルベックは飲みごたえがあって好きだなぁ。 自分はワインがしっかりした味がしていても、食事と一緒に飲んでも平気だと思うし、ワインらしくていいと思う。 MalbecとCabernet Sauvignonを混ぜたUNUSも、いいとこ取りでなかなか美味しかったです。
http://www.mendel.com.ar/mendel/noticias/home/eng
こちらのマルベック、普通ブドウはどこでも生育の強い品種に接ぎ木をして育てるのが一般的ですが、この木は接ぎ木をしていなく珍しいそうです。
次に訪ねたのがこの"ReNacer"。
メンドーサの葡萄畑は平地、山側など、場所によって部位分と味の違うブドウが出来るのですが、こちらのワイナリーではそのどちらにも畑を持っていて、それをブレンドすることによって最適な味を作り出しているそうです。
葡萄畑の向こうにはアンデスの最高峰アコンカグア(6960メートル)の雄姿が見えます。
こちらでの試飲は変わっていて、ここのブランドのコンセプトであるブレンドを勉強します。
種類はこの三つで、産地がEste、Lujan、Uco。 Ucoは山側で育っているので皮が厚く、味もしっかりしているし自分は一番好きでした。Esteは軽い代わりにフローラルな香りがしたり、程よい酸味。Lujanが香りはいいけどどっちつかず。

と言うことでブレンド開始。 自分はUco70%、Este20%、Lujan10%でブレンド。 今回の参加者6人のブレンドをワイナリーの人が試飲をするのですが、優勝者は自分! ははははは~!違いの分かる男振りを発揮しました。 景品のルーレットを回してロゴ入りのワイン・オープナーを頂きました!(ワインボトルじゃなくてよかった・・・持って帰れない)

次に訪れたのがこの"Tapiz"。 一時期あのジャック・ニコラウスもオーナーだったというワイナリーですが、現在はアルゼンチン人がオーナーになったそうです。 このワイナリーのオーナー。 どうやら金持ちのサイドビジネス的所があるようで、ここメンドーサも世界の富豪であったり、フランス、アメリカなどのワイン・メーカー。 ワイナリーを持つというのも金持ちのステイタス的優雅な趣味なところもあるのかもしれませんね。

ここのワイナリーも歴史の古いものなのだそうですが、新しいオーナーになってからモダンな内装にして、パーティーや結婚式なども開かれるようになったそうです。 ここメンドーサ自体は全くリゾート地っぽい感じはないのですが、ホテルやスパなどを併せて経営するワイナリーも多く、ラグジュエリーなステイも楽しむことが出来ます。

木で出来たシャンデリア。

二階のテラスからは周囲のブドウ畑も見回せます。

今日のお昼はここTapizのワインを4種類(=テイスティングサイズではない4杯。。)を楽しみながらのコース料理。 メインはもちろん450gの特大ステーキ。 自分でも多少残すくらいの大きさなのに、さすがに同行のAussieGirls、全てペロッと食べていました。
初めに試したワインはTorrontesという種類。 これは最近アルゼンチンが推しているブドウらしいのですが、アルゼンチン固有のブドウで、アルゼンチンもしくはチリの一部でしか栽培されていないそうです。 大変すっきりとした、程よい酸味のワインで、ピノグリのように晴れた日のカフェなんかで飲むにはいいかも。
その後ももちろんブレンド、マルベックと進んで、最後はマルベックのロゼ。 あまり他所の国ではこのマルベックのロゼは見ることが少ないですが、ここアルゼンチンでは時々見掛けます。 マルベックの醍醐味のしっかりしたワインの味は全く失われるので、マルベックをロゼにする意味があるのかなぁ?と言うところはありますが、マルベック・ファンの自分にはWhy not!


さて、食後に〆のワイナリー。 "Alta Vista"。 ここはフランスの有名なシャンパンTaittingerと同じオーナーが経営するワイナリー。

しばらくここの庭で待つ時間があったのですが、日差しがとっても気持ちいい。




ここでは良質のワインはコンクリートのタンクで醸造。

こちらのステンレスタンクでは一般的なワイン。

地下のセラーには樽が並んでいるのですが、樽とタンクとのワインの入れ替えは天井からホースを通して行うそうです。

部屋の端には過去のワインが全て並んでいて、時々オーナーが来てはパーティーなどに持って行くそうです。 赤ワインは良質なワインの製造過程で出来たものは、ボトルに詰めた後も20年くらいは熟成出来るそうなのですが、白ワインは基本すぐ飲まないといけないし、保存しても3年がマックスな様です。(もちろん普通の家庭にはセラーがないので夏を越すのは不可能。買ったボトルはすぐに飲みましょう!)

ここでも初めに試したのがTorrontes。 いずれアメリカでも目にすることがあるでしょうか。

ここのワイナリーが一押しなのがこの"Alto"。 マルベック80%、カベルネ・ソーヴィニョン20%のブレンドなのですが、試飲させてくれた2007年でも現地でもUS$100。 なかなかよいお値段です。 この棚の一番奥の1998年でUS550。 ま、普通じゃ買わないね。 試飲もちろん美味しかったです。 このマルベックとカベルネ・ソーヴィニョンのブレンド、これから流行ると思うなぁ。

最後はピンクのスパークリング・ワイン。 うまし!
彼が名誉指揮者を務めるフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団を引き連れての公演。 曲目は王道。
ベートーベン 交響曲第3番『英雄』
ドヴォルザーク 交響曲第9番『新世界』
巨匠も現在御歳76。 全くそんな歳を感じさせない見事な指揮。 アンコールではヴェルディ連発で会場は大盛り上がりでした。 オーケストラもお見事で、完璧な演奏でした。 メータには去年の日本の地震の時、チャリティー・イベントなど大変大きな貢献をしてくれたことでもその人柄が想像つきますが、アンコールの際の客席とのやり取りなどを見ていても、とっても温かい人柄の方なんだろうなぁと感じました。
素晴らしいコンサートでした。
場所は違いますがアンコールでのヴェルディ。 カッコいいねぇ!
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