Friday, October 8, 2021

santa fe, new mexico

フェニックスでの公演を終えての初バス移動。 8時間の予定で出発したものの、途中で2台のバスのうち1台が故障したために引き返し、そのバスに乗っていたキャストをもう1台に乗せたために超過密なまま再出発。 サンタ・フェまであと2時間のところで修理を終えたバスが追いつき、やっと席のスペースを取り戻し朝に到着。 結局10時間の長旅になってしまいました。


今週は初上陸となるニュー・メキシコ州のアルバカーキでの公演なのですが、ちょうど大規模なバルーン・フェスティバルが行われているためにホテルが取れず、結局1時間離れたサンタ・フェに滞在。 が、個人的にはこの有名な観光地に泊まる方が幾分も有り難い!! がしかし。。ここに滞在してバルーン・フェスティバルに行く人も多いようで、周辺のレンタカー会社には車が一台もなし。。 近郊の町にも行ってみたいと思っていたのがどうなることやら。。


フェニックスの時にも触れましたが、ネバダ、アリゾナ、ニュー・メキシコ、コロラドの辺りではターコイズが産出するのですが、この街ターコイズ色の鮮やかなドアや窓枠をよく見かけます。


まずはこの街の事を知るべく歴史博物館へ。
もちろんこの周辺にはネイティブ・アメリカンの人たちが住んでいたのですが、街が形成されたのはアメリカでも2番目に古い1607年。


この辺りには1万2年前くらいから原始インディアンと呼ばれる遊牧をする人たちが住んでいて、1540年にはスペイン軍が侵攻。 1598年にはサンタ・フェ・ヌエボ・メヒコを創設、1607年にその首都として町が建設されます。



スペイン人は現地のプエブロ・インディアンをキリスト教へと改宗させたそうですが、その代わりナバホ族やアパッチ族から守っていたので、うまく共存をしていたそうです。


1598年に渡ってきたマリア。






1824年にはスペインからのメキシコの独立戦争があり、ここはメキシコ領ヌエボ・メヒコの州都となります。
が、1846年にはアメリカとメキシコの戦争が勃発。 圧倒的な軍事力の差でメキシコ軍は追いやられ、カリフォルニアやテキサスと共にニュー・メキシコも奪われます。
1912年には連邦の47番目の州として昇格。 サンタ・フェはニュー・メキシコ州の州都となります。


この博物館は1610年に完成した総督邸で、アメリカにある最古の公共の建築物です。


スペイン風で中庭が気持ちいいです。


その総督邸の軒では毎日マーケットが開かれていて、ここではプエブロのネイティブの人たちがターコイズなどの製品を売っています。


世の中に出回るターコイズの9割がトリートメント加工、もしくは人工的に作られたもので、日本などでは無加工の天然ものは3%としか出回っていないと雑誌の記事などには書いてありましたが、ここで商売をしているネイティブの人たちはライセンスを持っていて、監視員もいるので加工品を掴まされる心配はないそうです。
ちなみにここニューメキシコとアリゾナでは樹脂を入れて強度を増す加工に関しては天然もの扱いをされるそうです。 本物の無加工のものはアン・トリートメントと呼ばれ、なかなか手に入らないようです。(ターコイズには正式な鑑定保証書のようなものはないので、売る側との信用の問題らしい。。なんと曖昧な。。)



バルーン・フェスティバルのおかげで人がいっぱいです。
海抜2000mを超えるため気温もちょうどよく、日差しもあって大変気持ちがいいです。


ネイティブの人から買ったターコイズ。 これはアリゾナのKingman(キングマン鉱山)のものです。




街並みが大変かわいらしいのですが、どこもメキシコのお土産屋さんのような感じ。 あとはターコイズを扱うお店がいっぱい。




”聖フランシス聖堂”。
以前より別の教会のあった場所に1887年に完成したローマ・カトリックの聖堂。



祭壇にはアメリカ最古のマリア像が祀られています。



Saint Kateriは北米のインディアンで初めてクリスチャンとなった人。










サンタ・フェと聞いて宮沢りえを連想する人は少なくないはずですが、あの写真集の撮影が行われたのもここ。 あのアイコニックなドアがないかなぁっと気にしていたらドアだらけのお店。。 残念ながらここにも似たものはありませんでした。(汗)


メキシコ・シティにあるグアダルーペの聖母のグアダルーペ寺院。 北米で初めてできたグアダルーペを祀る寺院はこちら”Santuario de Guadalupe”。


1700年代後半から1800年代前半にかけて建設されたようですが、正確な年代は分かっていないそうです。




それっぽいものは無かったものの、なんちゃって宮沢りえ。><


1878年に出来たロレット・チャペル。
ここには曰く付きの、謎の階段があります。



それがこちらの階段。 これは以前の写真で、教会が完成間近の時建築家の方が亡くなってしまったのですが、その際聖歌台に上がる階段が付けられていなかったそうで、どうやってもスペース的に梯子以外で上がることが不可能だと思っていた時、見ず知らずの男の人がやって来てこの螺旋階段を完成させたものの、その男性は忽然と消えて、この階段を作った技術も、また木材もどこのものであるかも解明されず、あれはキリストの父、大工のヨセフであったという結論に至ったとのこと。



後に手すりが付けられたそうなのですが、さて真相やいかに?
雑誌サライ特集があったので参考までに。


こちらはアメリカ最古の家と言われている建物。 1648年築ということですが、最古という基準がいまいちわからない。。


1800年代後半の建物の様子。



内部も案外生活しやすそう。


その最古の家の隣にあるのがこちらもプエルトリコを除いては全米で最古の教会。
1610年ころには建てられたであろうとされていて、サンタ・フェで初めて建てられた教会でもあります。








祭壇の中央にある大天使ミカエルは1709年にメキシコで作られたもので、1776年にはここに祀られていたそうです。


さて、この日はサンタ・フェから車で30分ほど離れたところにある小さな鉱山の村"Los Cerrillos"へ。
レンタカーも借りられず、路線バスも走っていないこの場所へどうやって行ったかというと、ridethebluebus.comのRTDバス270が運行しているとこ情報を得て電話。一日に一往復しかしていない様子だったので確認すると”何時に行きたい?”と逆に聞かれ、”時刻表通りじゃなくてもいいの?”と尋ねるとフレキシブルに対応してくれ、現地には2,3時間もいれば十分だったため、昼前に行って昼過ぎに帰る予定で予約を入れてくれました。 しかも運賃が無料!!

サンタ・フェの中心地を外れるとメキシコの荒野のような風景が広がり、しばらくするとCerrillosのバス停へ到着。



街とは言ってもいくつもの西部劇の映画が撮影されたということもあり、舗装された道路もほぼなく、数ブロックに渡って家が並んでいるだけ。



鉄道が通って町が栄えていた時には一階が酒場で二階が遊戯場なサルーンだけでも20軒以上あったそうで、まさに西部劇な感じ。 これはオペラハウスと書いてあるけどシアターかな?


ニュー・メキシコでも数か所ターコイズが採れるのですが、ここセリリョスもその一つ。 現在はここのミュージアムを管理している家族が掘っているだけなので、産出量も少なく、市場にはほとんど出ていないそうです。



$4でミュージアム?へ入ると、ご主人の趣味で集めたターコイズの原石やら骨董品やらがそこら中に。




なかなかな雰囲気を醸し出しています。




昔からインディアンのタオ族が住んでいて、そこ頃からターコイズを掘っていたそうで、アメリカ最古の鉱山をして大変長い歴史を持っています。
スペイン人が入って来てからは金や銀、鉛などが採れたそうで、1879年にはこの場所が再発見され、そこから大きな発展を始めます。 19世紀末にはかのティファニーが自社のイメージカラーの”ティファニー・ブルー”のターコイズを求めてやって来て地権を買います。
が、1900年に入ると鉱山も閉まり始めゴースト・タウンとなってしまいます。


現在ここのオーナーであるブラウンさんの鉱山は、ティファニーの鉱山からは4マイルほど離れているそうなのですが、写真のような白っぽい緑のものを中心に、今でも様々な色のターコイズが出てくるそうです。


鮮やかな青色のものや、ティファニー・ブルーに近いものもあります。


こちらは息子さんの作品だそうで、サンタ・フェの街中にあるジュエリー・ショップの人も、ここの作品を入荷しようかと考えていると教えてくれていました。


これはニュー・メキシコでもメキシコの国境に近い場所Hachita(ハチータ)のもので、ここも家族経営の繋がりで入手しているだけで、市場にはほとんど出ていないそうです。



ここから出るターコイズの層は大変薄く、なかなかジュエリーにまで加工できるものは少ないようですが、そんな破片も売っていて、なかなか創作意欲を掻き立てられます。


一番右がハチータのもので、残りはセリリョスのもの。 実物の方が色は鮮やかに見えますが、全く無加工の天然石です。


破片の形を整えて穴をあけたもの。 何を作ろうかねぇ。。。


ミュージアムから見える景色。 この丘も鉱山でしたが、20年から30年にかけてダイナマイトで吹き飛ばしたそうで、真ん中が崩れています。
大変時間の流れがゆっくりな場所で、奥さんとずいぶん長い間話をして、色んなことを教えてもらいました。






なんとも天気が良くて気持ちのいい空気が流れています。


唯一オープンしている雑貨屋さん。





のんびりとハーゲンダッツのアイスクリームを食べながら命の洗濯。





現在は火災でなくなってしまった”ティファニー・サルーン”。
雑貨屋だったものをティファニーのターコイズ鉱山のマネージャーが買い取り、その後1958年に別のオーナーに買い取られサルーンとしてオープンしたそうです。



公衆トイレ。



いやぁ。。
なんともリフレッシュする一日を過ごせたし、ターコイズの南の海のような鮮やかな色を見ていると気持ちがとってもすっきりとしました。


ターコイズ・マップ。

No comments: