Saturday, November 27, 2010

baccarat

3日目!
今日も朝早くに起きてまずはナンシーから車で50分ほど離れたところにあるバカラ村へ。
バカラはその通りあの世界的に有名なクリスタルのBaccaratです。


これがバカラの工場。 見ての通り、ここからあの美しいクリスタルを世界中に送り出しているようにはとても見えません。 シャンパンもそうなのですが、これだけのシェアを持っていて、世界的にもクオリティーの高い素晴らしい製品をつくり出しているのに、街はこじんまりとして、観光客もほとんどいません。 少なくともここではそんな観光客には全く出会いませんでした。


本当にがら~んとしたローカルな感じの工場です。 ここで数多くの職人さんが働いているんですね。


工場の横にはこじんまりとした博物館があります。 ここでは80年代と思われるビデオで製造工程や会社について勉強が出来、昔からの作品の一部を見ることが出来ます。 これを見ると、バカラのクリスタルがどれだけの技術と時間と工程を経て作られているかが分かります。 なんと、商品として売られるものは6-7割と言うことで、その他は基準に合わないために破棄されるそうです。

バカラは1764年、ルイ15世によってここにガラス工場がつくられたことによってはじまります。 1816年からクリスタルの製造が始まります。 その後万国博覧会でグランプリを受賞し、ロシア皇帝からの受注を受けたり、日本をはじめ各国の皇室、王室やスルタンに製品を納め、世界中にその名を知られるに至ります。


工場と美術館の横にはショップも併設されています。



"HARCOURT"(アルクール) このどっしりとした重量感とエレガントな平面カット、ナポレオンがここバカラを訪ねた時に魅了した、遠征に持ち歩くことのできる華麗でいて堅固なグラスを原点に、1825年にアルクール公爵家の婚礼の為にこのデザインの原型が出来ました。 そして1841年にこのグラスを発表、それ以来ヴィクトリア女王をはじめ世界各国の王侯貴族に愛され、ローマ法王にもバチカンで使用するために選ばれています。 手に持つとずっしりとした重厚感に王様になったような気がします。
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と言うことでご購入! もう10年近くいつかは買いたいと思っていたアルクール。 値段の高さに、何かの記念ごとに1つづ揃えようと思っていたのですが、そんな記念日もなくいつかはと思い続けて今日に至って、バカラでバカラを買うならこれ以上の理由はないかな。。。と言うことで思い切って買いました。
でも日本で買うのの半額以上。 割れないように持ち運ぶのが大変そうですが、なんとか日本まで持ち帰ります。
http://www.baccarat.com/intro.htm


バカラの工場からは川を挟んで反対側にあるのがこのSt.Remy教会。 ここのステンドグラスはバカラで出来ているらしいので入ってみました。


中は真っ暗だったのですが、外が曇っていたにもかかわらずガラスは鮮やかな光を建物に取り込んでいました。


デザインは見ての通りモダンです。




街はこじんまりとしていて、とてもではないけどここが世界有数のクリスタルの産地とは思えません。


ナンシーに戻る頃にはすっかり雪になりました。 先にも書いたとおりここはエミール・ガレを中心にアール・デコの華開いた街ですが、この"Musee de I'Ecole de Nancy"は、そんな彼らのパトロンの家を美術館にしたもので、家そのものがすっかりアール・デコになっています。 特にダイニングルームは圧巻で、天井から床まで、キャビネットも暖炉も全て木の彫刻でシダや蔦の伸び、覆いつくしたようなデザインで、調度品も全てアール・デコ。 建物中のガラスは素晴らしいステンドグラスで、あちこちにガレの作品も並んでいます。 自分はガレはグラスばかりを作っていたのかと思っていましたが、実は家具や焼き物、その他様々な作品も手掛けていたんですね。 アール・デコファンにはたまらない美術館だと思います。
ガレの作品を何点か紹介。 彼には独特の世界がありますよね。 とっても写実的でいて、奥底に妖艶さを秘めていて。 温かさと冷たさの両方を持ち合わせた様な雰囲気が醸し出されていると思います。


いくつか古伊万里を思わせるような作品も展示されているのですが、上手に日本の色合いが出せているし、才能のある人は何でも出来てしまうんですね。


蛾をあしらったベッド。 ヘッドボードの蛾の羽からは鱗粉が舞っていて、一体こんなベッドで寝たらどんな夢を見るのでしょう?


これがそのダイニングルーム。 息を飲むインテリアの数々です。


午前中から降り始めた雪は積り始めました。


街の中心に戻りランチ。 今日はこの町でも有名なアール・デコなレストラン"EXCELSIOR NANCY"へ。 もう3時前だったにもかかわらず店内は満員。 観光客と言うよりは地元民っぽいのですが、そんなに安いレストランでもないのに人がいっぱい。 


内装は写真の通り大変豪華。 食事も美味しかったのですが。あまりの人の多さにウエイターが来るのに時間は掛わ、オーダーはいくつも忘れたまま来ないわ・・・。 サービスはダメダメでした。 地元の子たちはコーラ一杯とかでも入っていたので、もし店内だけ見たいと言う人は3時以降、ランチが終わった後にカフェだけしに来てもいいかもしれません。 
http://www.brasserie-excelsior.com/



雪のスタニスラス広場。 ここももちろん世界遺産に登録されています。


その広場の一角にあるのがこのグランド・ホテル。 ここはあのマリー・アントワネットがオーストリアからはるばるパリへ結婚のために向かう途中宿泊したホテルです。


日暮れ時このグランド・ホテルのカフェの窓際でこの美しい夜景を1時間ほど眺めていました。 マリー・アントワネットもパリへ入る直前、大きな重圧と不安を抱えながらこの景色を眺めていたのでしょう。



日が暮れてからリールへ出発。 途中ハイウェイに雪の積もっている場所もありましたが、なんとか事故もなく楽しい旅行が出来ました。

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