Saturday, February 26, 2011

catalana



今日は朝から旧市街の散策へ。 ここもガウディの建築“グエル邸”。 自分が前回来た頃から改装工事が始まったそうなのですが、工期2、3年のはずがすでに2011年・・・。 今年の4月にはオープンすると一応言っているそうなのですが、まだまだそんな風には見えません。




旧市街の中間どころにあるのがこの広場。 よく日の当たる中庭にはカフェや噴水があって、のんびりと時間を過ごす人達も多いです。 この北側の入り口にある可愛らしいカフェ・レストランで先日食べたけど、10ユーロ以下でたっぷりのグラス・ワインに大きなサラダとツナ・ステーキにデザート、どれも美味しくてなかなかよかったです。

この街灯もガウディ作だったはず・・・。
 
 
 
 
”サンタ・エウラリア大聖堂”。 現在のこの建物は1298年から150年間をかけて造られたもので、それ以前の西ゴート時代にも原始キリスト教の教会があったそうです。
 
 
隣には緑豊かな回廊があってとても気持ちのいい空間が広がっています。
 
 
 
この中庭には13羽の白いガンが飼育されているのですが、これはここに祭られているバルセロナの守護聖人、ディオクレティアヌス帝時代のキリスト教の大迫害の際に13歳で殉教した聖エウラリアにちなんでいるそうです。
 
 
 
内部は天井も高く、スペイン独特のエキゾチックな雰囲気のある教会です。
 
 

1600年代の木の彫刻の祭壇。 美しいです。
 
中央祭壇の下には聖エウラリアの遺骸が埋葬されています。 1700年も前に13歳の短命で亡くなったんですね・・・。 ここに十字を切る人達は絶えません。
 
 
小さなお墓です。
 
 
 
自分はどの教会に行っても真上の景色を見るのが好きで、この規則正しく並んだ柱に天井の装飾、石のブロックの並び。 どの教会も個性豊かで大好きです。
 
 
“王の広場”。 カテドラルのすぐ近くなのですが、正面が王宮で、バルセロナ伯爵の住まいとして使われていたそうで、広場の奥のこの階段は新大陸到達の航海から戻ったコロンブスがイザベル女王に謁見するために上ったそうで、なかなか歴史の深い一角です。
 

旧市街は道が迷路のように入り組んでいるのですが、ローカルな生活のにおいがぷんぷんする所と、観光色豊かな通り、ギャラリーやおしゃれな店などが点在している通りまでごちゃごちゃとなっているのですが、そういう所をちょっと道に迷いながらでも散策するのは大好きです。
そうやって歩いている時に見付けたのがこの靴のお店。 ヨーロッパにいる間に一足はいい靴を買いたいと思っていたのですが、比較的ベルギーはいい靴が多いななと思いつつもこれといったものがなく、ついにここに来てこのショーウィンドーに釘付けになりました。
 

この"CYDWOQ"という靴屋さん、会社自体はアメリカにあるらしいのですが、全て手作りで、しかもイタリアン・レザーに染料や接着剤は植物性と言ったナチュラルなもの。 何年も履いて、次第に味が出るのを楽しめるそうで、傷んだ部分はその都度修理してくれるそうです。
 
 
履いた感じはそのまま足にしっくりきて、しばらくはいたら自分の足の形になるそうで、店員さんの履いていた靴はもう2年経過していたのですが、とってもいい味でカッコ良くなっていたので、随分悩みはしたものの購入です!
ここの店長さん。 自分があまりにも気に行ってしまってここにショップをオープンしたんだとか、30分余りも店で色々な靴を試したのに、いやな顔1つしないで色々話をしてくれました。
いいものゲット!
 

次に向かったのがピカソ美術館。 ここはピカソの家族が寄贈した作品が母体となっています。
今週は彼の若い時代の作品は全て見学が出来ず、青の時代以降の物だけの見学でした。 メインはベラスケスのパロディーと言った感じでしたが、いくつもいくつものパターンで展開するパロディーは見ていても微笑ましいです。 前回来た時に感銘を受けた若い時代の作品が見れなかったのはちょっと残念でしたが、やはりバルセロナに着たらここには足を運ばないとね。
 
 
建物は古い修道院の様な感じです。
 
もちろんお昼もタパス・・・毎食タパス。。。 今日もイベリコ豚。 ぽかぽか陽気の石畳の小さな広場のパラソルの下でのんびり食べる昼食は、この仕事ならではの特権でしょうか。
 
 
 
こんな細い通りが入り組んでいます。
 
ここは“カタルーニャ音楽堂”。 ここも世界遺産に登録されています。
1905年から1908年にかけてリュイス・ドメネク・イ・ムンタネーによって建てられた音楽堂です。 今夜はここでポルトガルのファドの歌手"MARIZA"のコンサートです。
 

 
 
近くにあるのがこのカフェ“四匹の猫”。 ここは18歳のピカソが足しげく通ったところだそうです。 一度閉まったものの、今も当時の内装を再現したまま営業しています。
 
さて、コンサートですがここが内部です。 タイルのモザイクがふんだんで、あちこちに胸像やら駆ける馬など像があってとっても3D。
 
自分達の席は舞台の上の方だったで、見た感じはこう。 客席もそんなに多くはないです。
コンサートはと言うと、ファドを聴いたのは初めてでしたが、どちらかと言うとフラメンコの歌のようで、とってもスパニッシュっぽかったです。 彼女の声も素晴らしく、たしかにマイナーな分野かもしれないけど、もっといろんな人に知ってもらいたいなと思いました。 言葉は分からなくても感情と情熱のほとばしる歌声には心も揺れます。


天井のステンドグラスもとっても色鮮やか。 
 
こんな所からペガサスも。 色彩とファンタジーあふれるコンサート・ポールですね。
 
2階の待合ロビーもエレガント。 
今日もいい1日でした!

barcelona


会社に入って以来の大混乱な1週間を終えて、やっと騒動にも終止符が打たれつつここバルセロナにやって来ました。 ここへ来るのは随分久し振りですが、前回見たときからバルセロナのランドマーク的“サグラダ・ファミリア”がどのくらい建築が進んだのか見て来ました。 4本の大きな塔が西と東に4本ずつそびえているのが特徴的ですが、それぞれにデザインが全く変わっていて、この写真は西側の“受難のファザード”と呼ばれる側です。 東側より随分と近代的なデザインです。



最後の晩餐から復活までの場面が描かれています。


このドアを通って中に入ります。


見て下さい!この柱のも似に差し込む光を!! たとえをするならナウシカが腐海の森の奥深くに落下した時の風景でしょうか。 以前来た時にはこのエリアは建築資材で埋まっていて、柱も建設途中だったので、見学の時はこの周りの足場を歩いていたのですが、今ではフロアは完全に完成していて素晴らしく幻想的な空間が広がっています。


そこここの明かり窓から光が降り注ぎます。



中央祭壇のキリスト。


そのキリストの真上からも光が注いでいて、まるでキリストが降臨して来たかのようです。




こちらが東の”誕生のファザード”。 こちらは西と違って古典的で写実的な彫刻で、受胎告知から洗礼などの様子が彫られています。






建物の色の違いを見ると時代を分けて建設している様子が分かりますね。



2.5ユーロで1時間くらい待つとエレベーターで上に上がれます。 以前は全部階段で上がったのを覚えているのですが、今はエレベーターが付いたんですね。 上からは街の景色がよく眺められて、風も気持ちがいいです。

下はほぼ完成に近いとは言っても、上はまだ随分工事中です。 1882年に着工してから完成までには300年かかる公算だったようですが、最近はスペインの経済状況の向上や入場料収入に支えられて工事も加速していて、公式の発表によるとガウディの没後100年目の2026年には完成が予定されているそうです。

塔の内部はこんな感じ。
 
 
 
こんなバルコニーがあったり、あちこちに螺旋階段が付いていたり、なんだか探検をしているようです。
 
下りはこの巻貝の様な螺旋階段を永遠に降りるのですが、片方にしか手すりが付いていないので結構怖いです。
なお、このサグラダ・ファミリアは去年末にローマ教皇が訪れてミサを行い、聖堂に聖水を注いで聖別。
正式にバジリカとなったそうです。
 

次に向かったのがこの“グエル公園”。 市内のちょっと北に位置するのですが、ガウディと同じ芸術センスを持ったグエル伯爵の夢が造り上げた分譲住宅地。 自然と芸術に囲まれて暮らす生活、自然との調和を目指した総合芸術を作ろうとしたそうなのですが、当時は誰にもそれを理解してもらえず、60区画のうち買い手が付いたのは2軒、ガウディ本人とグエル伯爵だけだったそうです。
グエル伯爵が亡くなった後に工事は中断され、市の公園として寄付されたそうです。
 
 
 
入口からしてガウディ色たっぷりです。
 
 
 

現代ならこのような遊園地も多く、特に突飛な感じはしませんが、工事は1900年から1914年の間に行われたと言うので、100年前の人には狂気の沙汰にしか見えなかったかも知れませんね。
 
 
 
入口を入ってすぐの所にあるのがこのモザイクのトカゲ。 随分と人気者のようで、これの置物は街のあちこちのお土産屋さんに並んでいます。
 
 
 
頂上付近からはサグラダ・ファミリアもこんな風に見えます。
 
 
写真では伝わらないかもしれないですが、この日も外はぽかぽか陽気。 風も心地よくてとっても気持ちがいいです。
 
 
 

ここがガウディが20年近くを過ごした家。 内部はそんなに広いわけでもないのですが博物館になっていて、彼の作品や生活の様子を垣間見ることが出来ます。
 
 
 
タコの様な、人の様な、エイリアンのような・・・ ランプ・シェードでしょうか?
 
 
 
 
 
これまたとってもガウディっぽいランプです。 先日フランスのナンシーで行ったアール・ヌーボーのコレクターの家ほどコッテリはしてないですが、それでもふんだんに曲線が使われていて、独特の雰囲気を醸し出しています。
 
 
ガウディのデスクです。
 
 
 
 
 
あちこちに人口洞窟か人口鍾乳洞の様なアーチが張り巡らされています。 いろいろ遊べます!
 
 
まるでせり出しのテーブルの様になっていて、上の広場では大道芸の人や歌を歌う人たちで賑わっています。
 
 
こんなタイルのベンチですが、意外にすわり心地がよくって、なにより吹き抜ける風がとっても心地いいです。
 
 
 
この建物は大通り“グラシア通り“に面した、これまたガウディの“カサ・ミラ”と呼ばれる建築物。
1905年から2年間を掛けて実業家のペレ・ミラ夫妻の為に建てられた巨大な邸宅。 これも世界遺産に登録されているのですが、建設当時の評判は悪く”石切り場”というニックネームを付けられたそうです。
 
 
 
まるで表面が波打っているようですが、これは地中海の波をイメージしてつくられたそうです。 このバルコニーのうねうねとしたものは海藻のイメージでしょうか?
 

”カサ・バッリョ”。 ここも世界遺産に登録されていますが、 1877年に大繊維業者のバッリョの依頼を受けて建設されたようで、外見は骸骨や骨の様であったり、通りでもかなりの異色を放っています。
 

全てが曲線で構成されていますが、100年以上も前にこれを見た人はさぞ驚いたでしょう。
 
 
内部はまるで海底洞窟のようで、階段を上がって水面へ出るような感じです。
 

階段も背骨の様であり、巨大な昆布の様でもあり・・・。 不思議ですね。
 

明かり窓も海面から射す光の様です。
 

暖炉には椅子もついていてます。 全部タイルなので実は熱かったのでは??
 

まるで日本の欄間の様に明かり窓が付いていて、奥の部屋まで通りの明かりがとりこめるようになっています。
 

天井も渦巻きになっています。 やはり海底の様ですね。
 
 
あちこちにこの取っ手が付いているのですが、これもガウディが人間の手に馴染むように計算してつくってあるそうです。
 
 
昔の部屋の中はこんな感じ。 部屋だけ見るよ異様な感じもしますが、こうやって家具が入った様子を見ると、それはそれでいい感じですね。
 

3階付近に中庭が付いていて、当時は木や花が沢山植えられていたようです。 中庭からの建物の眺めはこんな感じ。
 
内部の吹き抜け。 窓は上に行くほど小さくなるそうで、タイルの色も濃くなって行きます。 遠近法が上手に演出されています。 色は下になる方が濃くなった方が、海底に沈んだ感じになりそうですけどね
 
 
ガウディがカサ・バッリョの為にデザインした家具。 残りは全て美術館にあるらしいのですが、ここのカフェにはレプリカもあって座ってみることも出来ます。 なかなか座り心地がよくって、さすが人間の体型を研究していただけあります。
 
 
屋上の通気口もこんな感じ。
 

屋根のこの部分は竜の背中と言われているそうで、確かにそんな感じですね。
 
 

各部屋のドアもまるで動いているような感じ。
 
 
エントランスに続く階段。 
 
 
スペインに着いてから毎食の様にサングリアを飲んでいますが、1リットルで7ユーロとか。 スーパーでは1ユーロちょっとで買えます。 ワインも一本1ユーロしないものも多いし、タパスの塩辛い食べ物にお酒・・・高血圧の人には最低ですね。 外はぽかぽか温かいし、冷たいサングリアは最高です!