Wednesday, February 16, 2011

santiago de compostela

さて、やっとスペインへ辿り着きました。
本来今週は南のマラガへ行く予定でしたが、スケジュールが変更になって、今はスペインの北西の端”ア・コルーニャ”へ来ています。 こんな端っこに来るのは初めてですが、そのお陰で長い間一度行ってみたいと思っていた“サンティアゴ・デ・コンポステーラ”を訪ねて来ることが出来ました。
 
 
キリスト教の聖地と言えばまずはエルサレム。次はカトリックの総本部ヴァチカン。そしてもう1つはここ”サンティアゴ・デ・コンポステーラ”。
ここにはキリストの12使徒の1人ガリラヤ湖の漁師“ヤコブ”のお墓が祀られています。
ヤコブはヘロデによって紀元44年にエルサレムに手殉教したのですが、その遺体はこのスペインの端の地で891年、星の光に導かれた司教と信者が発見します。 その後墓の上に大聖堂が建てられ、11世紀にはヨーロッパ中の信者を集めていたようです。 現在にもその巡礼は引き継がれていて、フランスから続くその道は”サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路”として世界遺産にも登録されています。
ヤコブが漁師だったこともあって、信者はこのシンボルの帆立て貝を持ち、水を携帯する瓢箪を持って旅するそうです。 早く歩ける人が1日30キロ歩いて1ヶ月もかかる道のりだそうで、ここで巡礼の証明をもらうには徒歩で100キロ、自転車で200キロ以上走った人だそうです。
巡礼路には宿泊救護施設も多いそうなのですが、巡礼手帳を持つ人は誰でも、寄付か数ユーロで1晩泊めてくれるそうです。
 
 
目の前に現れたのはこの岩の壁の様な壮大な聖堂。 現在の様な建物になったのは1211年だそうで、スペインの聖堂独特の素晴らしい彫刻装飾が施されていて大変姿が美しいです。
 
 
今はシーズンではないので、キリスト教世界3大聖地とは思えないほどひっそりとしていたのですが、普段は敬虔な信者で埋まるそうですね。
 
 
この豪華な装飾を見て下さい。 フランスのような繊細さではなく、ドンと重い、体にのしかかってくるような重さすら覚えるダイナミックな、豪華な彫刻です。 フランスからの長い道のりを歩いて来た人たちはどれだけの感激を覚えたことでしょう。 もしかするとこの重みは1000年もの間、長い道のりを歩いて来た人々の思いを受け止め続けてきた重みかもしれませんね。
 
 
今日はあいにくの雨でしたが、一種異なった空気がこの空間には流れていました。
 
 
あちこちにシンボルの帆立て貝があります。
 
 
聖堂に入ると美しい歌声とパイプオルガンが響き渡っていました。 ここでは毎日正午にミサが行われているそうなのですが、偶然入ったのが12時過ぎだったのでミサに出くわしました。 しばらく邪魔にならないように一番後ろの席に座って待っていたのですが、キリスト教徒ではない自分でも、宗教を超えた清らかな荘厳さを感じます。 しかし司教さん歌がとっても上手い・・・。 オルガンと司教さんの讃美歌だけでも心が澄み渡る気がしました。
 
 
ミサの最中は電気が灯っていたので明るいですが、ミサが終わると暗くなりました。 このオルガンの音が響き渡っていました。
 
 
これがここで有名な香炉。
言われは長旅をしてきた人たちの体臭が気にならないように焚いたと言うことらしいのですが、お土産屋さんにはこの香炉を模したお土産も沢山売られています。 7月25日のミサにはこの香炉が焚かれるそうです。
 
 
そしてここが祭壇の下にあるヤコブのお墓。
 
 
 
この奥にあるのはヤコブのお墓です。 ドイツのケルンの大聖堂にある東方三博士の聖遺物と似たような感じですが、このヤコブの奇跡を信じて1000年以上も巡礼者が絶えないんですね。 どれだけの人の思いが寄せられて来たことでしょう。
 
 
それがです、どこの教会でも蝋燭の薄い明かりが美しいのですが、ここはなんとデジタル・キャンドル・・・。 もしくはコインを入れて明かりの灯る電球キャンドル・・・。 ついに聖地のキャンドルもデジタルですかぁ。。。
 
 
 
博物館へ入ると回廊や歴史についての見学が出来ます。
 
 
こんなダイヤがふんだんに使われた聖杯なんてものもあります。
 
 
 
 
聖堂に続く隣の建物の上には美しい回廊もあります。
 
 
スペインの巨匠ゴヤによるタペストリーの展示室もあります。
 
 
 
あちこちに帆立て貝があしらわれています。
 
 
街には沢山の椿の木が植えられています。 アジアの木と言うイメージですが、こんな所に沢山植えてあるのを見ると不思議な気がします。 確かに19世紀にはヨーロッパでも流行ったようで、デュマの”椿姫”でも象徴されてますね。
 
 
 
お昼はもちろん“タパス”と”サングリア”! フランス語で“聖ヤコブ貝”とも呼ばれるホタテ。 せっかくなので頂きました。
 
 

なんだか心の洗われた1日でしたが、いつの日かイスラエルの紛争が終結を迎える頃にエルサレムへも足を運んでみたいですね。 かたちと背景はどうであれ、人々の信仰の心と言うのは尊いものです。

2 comments:

Chiaki said...

椿をカメリアと言い換えると西洋でも違和感ないかも。
日本でも以前シャネルのカメリアコサージュが流行りました。
八重咲は華やかですね。

ISAO said...

椿と言えばとっても日本なイメージですが、確かにスペインの教会をバックに見ると、それはそれで似合ってます。 オランダの絵なんかに出てくる椿はバラの様であったりもしますよね。
シャネルのカメリアコサージュは今でもフランスでは健在です。