忙しかった1週間を忘れるように、たった一人で気ままな旅へ。 今回は単純な旅日記です。
この細かい花、ちょっと付いただけでも数万円。これだけ付いたら数百万? (って言うか使えないよね・・・)
薄情なもので、普段ならぐっすり寝ている5時半にはスッキリと起き、6時前にはUバーンで中央駅へ。 この地下鉄、朝の4時から走っているので大変便利。
ベルリンの中央駅はかなり巨大なのですが、ホームなども大変分かりやすく使い勝手がいいです。 ドイツの電車事情はとても充実していて、インターネットでチケットも簡単に購入できて、時刻表調べや座席の予約も楽々です。結構よその国だと、予約した席が分からなかったり、乗り方の説明が不十分だったりするのに、ここのプリントアウトしたチケットは単純明快で助かります。 しかも限定で出る割引席が手に入ればかなりお得です。 今回は往復ともに割引の席が買えたので、結構安く旅できました。
最初の目的地は世界的陶器の産地、泣く子も黙る”Meissen(マイセン)”です。
ドレスデンからSバーンで行く方法もあるのですが、行きはライプツィヒで乗り換えて行くことに。
ICEに乗ってベルリンを出るとすぐに田園風景になって、朝の静かな空気と、乳緑色のマットを敷き詰めたような景色が大変美しく、とてもすがすがしい気分になりました。
最初の目的地は世界的陶器の産地、泣く子も黙る”Meissen(マイセン)”です。
ドレスデンからSバーンで行く方法もあるのですが、行きはライプツィヒで乗り換えて行くことに。
ICEに乗ってベルリンを出るとすぐに田園風景になって、朝の静かな空気と、乳緑色のマットを敷き詰めたような景色が大変美しく、とてもすがすがしい気分になりました。
1時間でライプツィヒに着いて、そこからは2両編成のローカル線。 のどかな、塔のある教会を中心にしたいくつかの田舎の集落を眺めつつ2時間。世界的陶器の町"meissen triebischtal"へ着きました。
はじめの感想は”あれ?駅間違えた?”という感じです。
なんと言っても世界に名をとどろかせる高級陶器メーカーのマイセンを地場産業にしているなら、随分と駅も立派で、街も発展しているのかと思いつつ・・・普通の田舎の無人駅でした。 工場への案あまり親切とは言えず、とりあえず歩いて工場までたどり着きました。(駅からは10分くらいかな?) 工場の上にあの2本の剣の交差したマークを見たときはちょっとした感激でした。
2005年に新しくなった博物館は、普通の展示と製作の様子を見学出来るようになっていて、各国語のヘッドホンを着けての見学と、なかなか最新式。(8.50ユーロ) もちろん製作の様子は観光用なので、ウェジウッドの工場見学のように、詳しい製作を見ることはで来ませんが、それでもマイセンの真髄にちょっとは触れることはできます。
なんと言っても世界に名をとどろかせる高級陶器メーカーのマイセンを地場産業にしているなら、随分と駅も立派で、街も発展しているのかと思いつつ・・・普通の田舎の無人駅でした。 工場への案あまり親切とは言えず、とりあえず歩いて工場までたどり着きました。(駅からは10分くらいかな?) 工場の上にあの2本の剣の交差したマークを見たときはちょっとした感激でした。
2005年に新しくなった博物館は、普通の展示と製作の様子を見学出来るようになっていて、各国語のヘッドホンを着けての見学と、なかなか最新式。(8.50ユーロ) もちろん製作の様子は観光用なので、ウェジウッドの工場見学のように、詳しい製作を見ることはで来ませんが、それでもマイセンの真髄にちょっとは触れることはできます。
マイセンは1710年にヨーロッパで初めて硬質磁器の製造に成功しました。
これまで中国や日本の磁器が憧れの品で、それをヨーロッパでも作れないか試行錯誤をしていました。 ザクセン王のアウグスト強健王も、金連術師、物理学者、数学者、哲学者の協力の下、カオリンを原料とした白磁の製造に成功しました。
これまで中国や日本の磁器が憧れの品で、それをヨーロッパでも作れないか試行錯誤をしていました。 ザクセン王のアウグスト強健王も、金連術師、物理学者、数学者、哲学者の協力の下、カオリンを原料とした白磁の製造に成功しました。
”国立マイセン磁器製作所”はマイセンのアルブレヒト城に移され、厳重に機密が守られました。
ドレスデンに建設された日本宮殿のために製作を依頼されたこと、マイセン磁器の技術を向上させる力になったそうです。
型に粘土をはめる様子や、細かい細工の製作、お馴染みブルーオニオンの絵付けの仕方やその他の絵付け、とても興味深かったです。 粘土は焼くと13%も縮まるそうで、あの細やかな装飾など、よく歪みが出ないものだと感心します。 ブルーオニオンの顔料が濃い深緑色だったのは意外でした。 マイセンの色は1万種類にもなるそうで、その配合によって無限の色を出せるそうです。
それでは博物館のコレクションの一部をどうぞ。
この細かい花、ちょっと付いただけでも数万円。これだけ付いたら数百万? (って言うか使えないよね・・・)
この柄、どう見てもタマネギではなく柘榴です。 東洋で使われていた柘榴の柄を描いたところ、ヨーロッパでは一般的でなかったために”タマネギ柄”と呼ばれるようになったそうです。
1737年からのデザイン。 最近でも売り出されている"the swan service"です。
これも最近売り出されている犬です。 対になっていて、確か一体30万くらいだったかな?
巨大なテーブルのセンターピースの一部。 1749年にアウグスト3世の為に製作されたもので、高さはなんと3.5メートル。
1737年からのデザイン。 最近でも売り出されている"the swan service"です。
これも最近売り出されている犬です。 対になっていて、確か一体30万くらいだったかな?
巨大なテーブルのセンターピースの一部。 1749年にアウグスト3世の為に製作されたもので、高さはなんと3.5メートル。
アールデコの壷。 淡い色合いと滑らかな曲線の美しい逸品です。
海の生き物をかたどったチェスです。 ヒトデやタコなどどれも細かく愛くるしいデザインで、結構目を引きます。
天使の舞う大きな壷です。 製作者の美しさにに対する挑戦が極限まで生きた様な作品です。
世界で初めて陶器でパイプを作ったパイプオルガン。 しっかり剣のマークも付いてます。
ドラゴンのレリーフもあります。 このようなレリーフは館内のあちこちに展示してあって、その値段はいかほど?
歩き疲れたら館内のマイセン・カフェでお茶。 値段は普通のカフェの値段でも、もちろん食器はすべてマイセン! 贅沢なひと時です。
工場の正面です。 剣のマークののぼりがはためいています。
町並みはほぼ以前の姿を取り戻しつつありますが、今でもこうして発掘作業が行われていて、フラウエン教会のあるノイマルクト広場では、昔の町並みそのままのホテルなどの建設ラッシュのようです。
海の生き物をかたどったチェスです。 ヒトデやタコなどどれも細かく愛くるしいデザインで、結構目を引きます。
天使の舞う大きな壷です。 製作者の美しさにに対する挑戦が極限まで生きた様な作品です。
世界で初めて陶器でパイプを作ったパイプオルガン。 しっかり剣のマークも付いてます。
ドラゴンのレリーフもあります。 このようなレリーフは館内のあちこちに展示してあって、その値段はいかほど?
歩き疲れたら館内のマイセン・カフェでお茶。 値段は普通のカフェの値段でも、もちろん食器はすべてマイセン! 贅沢なひと時です。
工場の正面です。 剣のマークののぼりがはためいています。
Sバーンに揺られて1時間。ドレスデンのノイシュタット駅に着きました。
2時くらいには着けたので、宿にチェックインしたら早速街へ散策へ。 マイセンの工場にはB級品が2割引で販売されているのですが、その他のコレクションの方が多く、B級品はあまり品数がなかったので、ここドレスデンの直営店をまずは訪ねてみることに。
そんなに大きくない店内には、それでも国外の店とは比べられない種類が置いてあって、いくつかはB級品も並んでいました。 欲しいコレクションがいくつかあったのですが、それでも値段は高額。店員さんに”これのB級品なんてありますかねぇ?”と恥をしのいで聞くと、”あ、ちょっと見てくるね”と快い返事。さっさと裏から持って来てくれました。これはしめたと思い、あれもこれもと聞いてみると、倉庫からも運んできてくれ、欲しいと思っていたもの、すべてB級品で揃えてくれました。 もし直営店に行く機会のある人は、一度聞いてみるのも手ですね。 わざわざ工場まで行かなくても2割引で買えますよ。 それプラス税金が16%返ってくるので・・・現地での定価から計36%も引いてもらえました。 計算すると日本で購入する半額ですね。
先日デンマークで行ったロイヤルコペンハーゲンよりも随分と安いのはなぜ?!
さて、買い物を終えて散策へ。
さて、買い物を終えて散策へ。
ドレスデンと言えば、ドレスデンの大空襲で壊滅した街(街の85%は破壊されました)を再生させて、最近ではフラウエン教会を再建したと言うことで話題にもなりました。
この空襲は世界大戦中に行われた最大規模の空襲で、3万とも15万とも言う一般市民の命が失われたそうです。 ここは”エレベ河畔のフィレンツェ”の異名をもつほど美しい町並みだったので、ドイツ人も、ここだけは空襲に遭う事は無いと信じていたようで、この夜もゼンパー・オーパー(ヨーロッパ有数の歌劇場)ではオペラが上演されていたと言います。
町並みはほぼ以前の姿を取り戻しつつありますが、今でもこうして発掘作業が行われていて、フラウエン教会のあるノイマルクト広場では、昔の町並みそのままのホテルなどの建設ラッシュのようです。
奥に見えるのがフラウエン教会。 独特な”石の釣鐘”と称された25メートルのドームが美しい景観を作っています。
これは壁画の”君主の行列” これはシュタルーホフ(武芸競技場)の外壁にマイセンのタイル25000枚を使用してつくられていて、全長は102メートルにも及びます。 12~20世紀の君主や芸術家が描かれていて、なんとこの壁は戦災を免れたそうです。
ザクセン王の居城”レジデンツ城”の渡り廊下になっている柱の彫刻。 なんともいかめしく、下を通るのが気が引けそう・・・。
さて、これがフラウエン教会です。 戦後45年もの間手をつけられることも無く、ただの瓦礫の山だったこの教会を1994年から11年間かけて修復し、2005年にやっと完成したという痛々しい歴史背景を持っています。
今回はのんびり一人旅。 夕暮れ時一人エレベ側のほとりのベンチに座って向かいの首相府に明かりが燈るのを眺めていました。 こういう至福の、なんでもない時間を過ごしている時に、この世に生まれて来てよかったなぁ・・・なんてしみじみ思います。
夕暮れの教会付近。 この景色パリのモンマルトルにそっくりです。 ふとするとどこかの芸術家がひょっこり顔を出してきそうです。
1曲目のチャイコフスキーはなかなか情熱的な演奏でよかったのですが、ご当地のワーグナーと、後半のフランスの作品はどうも馴染めなかったかなぁ・・・ 大体がフランス音楽のファンじゃないので、ああいうコンテンポラリーな感じの、ちょっと頭をひねらないといけないのは、ただ美しいメロディーを鑑賞したくて行っていると辛いものがあります。 しかし、この劇場の雰囲気を満喫するには最高の夜だったかな。 劇場前で飲んだグリュー・ヴァインもよかったなぁ。。。
エルベ川を渡るアウグストゥス橋。 中央付近に葛飾北斎のレリーフがあるのはなぜ?! 富士山の代わりにゼンパー・オーパーを入れてみましたw
これはカトリックの旧宮廷教会。 街の中でも一番川に近いところにたっているのでひときわ目立つ教会です。
これは壁画の”君主の行列” これはシュタルーホフ(武芸競技場)の外壁にマイセンのタイル25000枚を使用してつくられていて、全長は102メートルにも及びます。 12~20世紀の君主や芸術家が描かれていて、なんとこの壁は戦災を免れたそうです。
ザクセン王の居城”レジデンツ城”の渡り廊下になっている柱の彫刻。 なんともいかめしく、下を通るのが気が引けそう・・・。
さて、これがフラウエン教会です。 戦後45年もの間手をつけられることも無く、ただの瓦礫の山だったこの教会を1994年から11年間かけて修復し、2005年にやっと完成したという痛々しい歴史背景を持っています。
所々石のブロックが黒いのが分かるでしょうか? これはオリジナルに忠実に再建し、残っていた石をそのままはめ込んだからです。 まるで戦争の傷を癒す絆創膏ですね。
塔の上に立っていた十字架は1993年に瓦礫の中から掘り起こされましたが、それは教会内に展示してありました。 代わりに今教会の上に立っている十字架は爆撃を行ったイギリスから送られたもので、爆撃を行ったイギリス兵の息子さんが製作したそうです。
この美しい広場が、二度と再び過ちの犠牲にならないことを祈ります。
1841年に、当時活躍していた劇場の設計家、そしてワーグナーとも親交の深かったゼンパーの手による劇場です。 ワーグナー自身も1843年から6年間指揮者を務めていて、”タンホイザー”などの初演が行われた所としても知られています。
ここも空襲の際には大きな被害を受け、一時瓦礫の山となっていましたが、1977年から復興が始まり、1985年には完成しています。
ドイツ統一後は州立になっているそうです。
今回はのんびり一人旅。 夕暮れ時一人エレベ側のほとりのベンチに座って向かいの首相府に明かりが燈るのを眺めていました。 こういう至福の、なんでもない時間を過ごしている時に、この世に生まれて来てよかったなぁ・・・なんてしみじみ思います。
夕暮れの教会付近。 この景色パリのモンマルトルにそっくりです。 ふとするとどこかの芸術家がひょっこり顔を出してきそうです。
ここの専属のオーケストラは現存するオーケストラの中でも最古のものに属する伝統的なオーケストラです。 指揮は今年からロッテルダムの交響楽団の音楽監督に就任が決まっているヤンニック・ネゼ=セガン。 曲目は
チャイコフスキー : フランチェスカ・ダ・リミニ
ワーグナー : Wesendonck-Lieder
ドビュッシー : Jeux
ラヴェル : ダニフスとクロエ
1曲目のチャイコフスキーはなかなか情熱的な演奏でよかったのですが、ご当地のワーグナーと、後半のフランスの作品はどうも馴染めなかったかなぁ・・・ 大体がフランス音楽のファンじゃないので、ああいうコンテンポラリーな感じの、ちょっと頭をひねらないといけないのは、ただ美しいメロディーを鑑賞したくて行っていると辛いものがあります。 しかし、この劇場の雰囲気を満喫するには最高の夜だったかな。 劇場前で飲んだグリュー・ヴァインもよかったなぁ。。。
指揮者のヤンニックに関しては、感想を書きにくい曲目だったのでノーコメントと言うことでw 大変情熱のこもった振り方をするのは感じられました。
ここが、そのマイセンの技術を向上させるきっかけとなった、その名も”日本宮殿”です。 オリエンタル文化のブームに乗ってザクセン王が建設したもので、ここも戦争で大破したそうです。 現在は再建されているものの、特に内部は見るところもありません。(とりあえず、宮殿とは関係のない博物館になっているのですが・・・) チケット売り場のおばちゃんに断って、中庭だけ見せてもらいましたが、柱を支える人物像までが中国人?のようで、ちょっと西洋と東洋が混ざっていて興味深かったです。 わざわざ歩いて見に行くような場所でもないですが、歴史の場所と言うことで押さえておきました。
エルベ川を渡るアウグストゥス橋。 中央付近に葛飾北斎のレリーフがあるのはなぜ?! 富士山の代わりにゼンパー・オーパーを入れてみましたw
これはカトリックの旧宮廷教会。 街の中でも一番川に近いところにたっているのでひときわ目立つ教会です。
ここが”ツヴィンガー宮殿”。 1728年に完成したこの宮殿も戦火で破壊され、往時の姿に復興されたのは1960年のことだそうで、現在内部には4つの博物館、美術館が入っています。
この王冠の門は大変華やかで、細やかな彫刻には目を奪われます。
門を抜けると広い中庭を囲むように建物が建っていて、それは華麗なバロック建築です。 今までも色々な宮殿に行ったけど、その中でもここはかなり美しい外観をしていると思います。
この王冠の門は大変華やかで、細やかな彫刻には目を奪われます。
門を抜けると広い中庭を囲むように建物が建っていて、それは華麗なバロック建築です。 今までも色々な宮殿に行ったけど、その中でもここはかなり美しい外観をしていると思います。
まずは武具などの展示してある"Rustkammer"へ。
自分は武具などの展示は、いつも参考程度にしか見ないんだけど、ここのは違いました。 ここまですごい武具の博物館は他で見た事がないです。 剣、銃、斧などの数々は素晴らしい象嵌で装飾されているし、人や馬の甲冑のも贅を尽くしたものが並んでいて、至宝というにふさわしいものです。 写真を撮るのに5ユーロかかると言われたので撮ってないですが、その装飾のデザインを見るだけでも素晴らしいと思いました。 ここへ来ても、この博物館はスキップしようと思っている人がいたらぜひ立ち寄ってみてください。
自分は武具などの展示は、いつも参考程度にしか見ないんだけど、ここのは違いました。 ここまですごい武具の博物館は他で見た事がないです。 剣、銃、斧などの数々は素晴らしい象嵌で装飾されているし、人や馬の甲冑のも贅を尽くしたものが並んでいて、至宝というにふさわしいものです。 写真を撮るのに5ユーロかかると言われたので撮ってないですが、その装飾のデザインを見るだけでも素晴らしいと思いました。 ここへ来ても、この博物館はスキップしようと思っている人がいたらぜひ立ち寄ってみてください。
次に絵画館へ。 アルテ・マイスターやドレスデン国立博物館、ドレスデン絵画館などとも呼ばれますが、自分はここに関しての予備知識を持たずに行ったら、まぁびっくりでした。
それでは自分のお気に入りの紹介です。 なお、いい画像が手に入らなかったので、色合いなどは随分違うと思ってください。
Raphael
The Sistine Madonna 1512/1513
でしょう。 世界で一番有名な天使の絵と言っても過言ではないでしょうが、いつもこのラファエロの名作がどこにあるのかは気になっていて、それでいて調べもしていなかったので、まさかこんなところにあるとは驚きました。(無知で申し訳ない・・・) 確かにイタリア中美術館に言ってもないわけだ・・・。絵の内容に関しては触れませんが、ラファエロの均整の取れた柔らかな曲線は他に追随を許さないし、確かにここの作品の周りの空気は違っていました。
さて、周りの空気の色を変えていた作品と言えばやはりこれ。
Antonelle da Messina
St. Sebastion 1478
よい画像が見つからなかったので分かりにくいですが、作品はとても鮮やかな彩色で、初期のルネッサンス作品とはとても思えない、大変モダンな感覚の作品です。 絵についての細かな構成や効果などは専門家ではないので分かりませんが、この絵の与える印象は鮮烈です。
Jan Vermeer
Girl Reading a Letter at an Open Window 1659
有名な”真珠の耳飾の少女”はオランダで見ましたが、30数点しか作品の残ってない彼、とても写実的で、綿密な計算の元に描かれていたそうです。彼女のうつむいた目、窓ガラスに反射するその顔。 全てのバランスが取れていて美しいです。
Jean-Etienne Liotard
The Chocolate Girl 1744/1745
The Chocolate Girl 1744/1745
ドイツ人には馴染みのある作品のようなのですが、自分は全く知りませんでした。 この絵のある部屋に入ったとたん目がいってしまうほど眩い光が出ています。 ごく薄いピンクのバラの花びらを撒き散らしているようです。
Valentin de Boulogne
The Cardsharps 1615/1618
確かに彼は”カラヴァジスト”と呼ばれ、カラヴァッジョの影響を多大に受けた作家だそうです。 自分もカラヴァッジョの作品は大好きですが、この作品もなかなかよい出来栄えだと思いました。
The Rape of Ganymede 1635
The Old Woman with the Coal Basin 1616/1618
ここにはルーベンスの作品も数多く展示してあって、"The Drunken Hercules, Being Led Away"の方が有名なのかもしれないけど、あまりあの肉々しい画風のルーベンスファンでもない自分は、これくらいの心温まるような題材の作品の方が好きです。
Bernardo Bellotto
Der Neumarkt in Dresden 1749
ドレスデンの町を描いた作品も何点か置いてあるのですが、そのどれもが今の風景とほとんど同じなのには随分驚きました。 もちろん戦後再建されてはいるものの、同じ風景を300年も前の人たちも見ていたかと思うと不思議な気分になります。
下が現在の風景なので、見比べてみてください。
さて、次はマイセンのコレクションの置いてある"porzellansammlung"へ。
ここにはマイセン博物館とは違い、オリジナルの作品が数多く展示してあり、初期マイセンがどのようなものであったかがよく分かります。 同じデザインなのですが、洗練された感じがなく、粘土の質も粗悪なようで、焼き上がりのひび割れなどもひどく、強引にかけられた釉薬はべっとりしていて、なんとも原始的なイメージです。
その他中国、日本の伊万里焼など、大量に輸入された作品も並べてあって、古伊万里にスペルが書いてあるのは興味深かったです。
マイセンファンの人ならここはぜひ訪れてみてください。
駆け足で感想を書いていきますが、次はレジデンツ城の中にある博物館"Neues Green Vault"へ。
以前ミュンヘンのレジデンツの博物館に行った時も、そこの博物館が世界で一番”すごいもの”を置いていると感心したのですが、ここもそれを上回るような”財宝”の数々が展示してありました。
金銀宝石の類はもちろんのこと、その細やかな細工を施した装飾品、置物、器等は、現在お金を積んでも作れないようなものばかり。 戦時中は他の場所に運び出され、ソ連に没収された後に無事返還されたそうで、これこそ過去のドレスデンの財力、権力の象徴ではないでしょうか。
写真がないので説明が出来ませんが、数限りない展示品の1つ1つが素晴らしい作品で、詳しく見て回ろうと思ったら1日がかりになりそうなほどです。
帰りは電車のコンパートメントを独り占めしてのんびりと帰りました。
あまりに多くの事がありすぎて、全ては書ききれません・・・。 長く充実した2日間でした。
歴史の深いドイツ。 帰ったら色々本を読んで勉強しないと・・・。
2 comments:
たくさんの美しいものに触れた、素敵なひとり旅だったようですね。
写真を見ているだけでも、目の保養になりました。
海の生き物のチェスは何とも言えず可愛いですね(チェスのルールは知りませんが…)。
たしかにいろんな意味で保養になりました。 いろいろな文化に触れるのって、本当に新鮮で、自分の中にある常識がほんの小さなものであることに気が付きます。
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