Wednesday, March 9, 2011

museo del prado

すっかりこの世界5大美術館の1つ“プラド美術館”について書くのを忘れていました・・・。
ここは15世紀以降のスペイン王家のコレクションを展示するべく、1819年にオープンした美術館。 ベラスケスやゴヤなどのスペインの作家の作品が多いのはもとより、16世紀から17世紀にかけてはフランドル地方もハプスブルクのスペイン家側の領土だったので、ルーベンスなどの作品もかなりの数あります。(もともとオーストリアのハプスブルク家の兄弟がスペインと本家を分け合っています。)
 
Guido Reni / Hippomenes and Atalanta (1618 - 1619)

Velazquez / Christ Crucified (1632)
ヴェラスケスと言えばマルガリータ王女を描いたものばかりが有名ですが、こんなに美しいキリストの作品もあったんですね。 かなり大きな作品で、その場の空気を変えるくらい印象深い作品です。
 
Velazquez / The Triumph of Bacchus , or the Drinkers (1628 - 1629
バッカスはローマ神話のワインの神様ですが、カラバッジョのそれとはまた雰囲気が違いますね。
 
Velazquez / Prince Baltasar Carlos as a Hunter (1635 - 1636)
彼は1623年から美術愛好家でもあったフェリペ4世に仕えた宮廷画家ですが、かなり数多くの王族の肖像画や宮廷を飾る絵を残しています。
 
Velazquez / Las Meninas (1656)
ヴェラスケスの代名詞の様な作品ですね。 構成状色々な物議と解釈を巻き起こす作品ですが、中央に描かれているのはもちろんフェリペ4世の娘マルガリータ王女。カンバスに向かうのはヴェラスケス自身ですが、鏡に映る人物や色々謎めいています。 この作品は先日行ったセゴビアのアルカサルに飾ってあったそうなのですが、1734年の火災で随分と損傷を受けたそうで、その後修復がされています。 詳しくはウィキペディアをどうぞ。
 
Goya / Christ Crucified (1780)
ゴヤは遅咲きの宮廷画家。 サラゴサで生まれ、その後マドリッドに出てきてタペストリーの下絵画家などとして働き40でカルロス3世の宮廷画家となります。 40を過ぎてスペイン最高の画家となりましたが、その後病で聴力を失います。 ほぼ全ての彼の代表作は聴力を失った後の作品です。
 
Goya / The 3rd of May 1808 in Madrid : the execution on Principe Pio hill (1814)
ゴヤは”マハ”の連作でも有名ですが、この絵も強烈な印象を受ける有名な作品ですね。 このPrincipe Pioは王宮近くの、いまはバスや電車のターミナルとなっている所ですが、この頃はスペイン独立戦争の動乱の時代にありました。 ゴヤの絵はどれも目に凄味があって、見る側をドキッとさせます。
 

Goya / Saturn devouring on of his sons (1821 - 1823)

この“黒い絵”と言われる彼の別荘の食堂やサロンを飾った14枚の壁画。 どれもどす黒く、人物の目はぎょろっとしていて、一度見たら夢に出て来そうなくらい怖い絵の数々です。 もともと13枚の作品には風景画が描かれていたそうなのですが、全てこのような絵に塗りつぶされたそうで、その理由については諸説あって分かっていないそうです。

このサトゥルヌスが自分の子を食べると言う尋常ではないモチーフ。 ギリシャ神話の、将来自分の子に殺されるとの予言を受けたサトゥルヌスが次々に5人の我子を飲みこんでいったという伝承らしいです。 もともとこの絵はもっとグロテスクだったらしいのですが、後に修正されています。

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