Wednesday, January 3, 2018

manila

常夏のマニラに来てからすでに数週間ですが、もちろん大昔に来た頃よりは新しい建物など増えてはいるのですが、街自体の雰囲気は変化なし。 東南アジア独特のむっとした空気とカオス感。 車検など関係なく凄まじい排気ガスをまき散らしながら走る無数のジプニー。

フィリピンの楽しみの一つはこのフルーツ。 前回パイナップルの食べ過ぎで舌がヒリヒリになった経験があるので、今回はちょっと自重。
今回驚いたのが、日本の食材がスーパーに沢山置いてあること。 もちろん値段は高いですが、いざという時には、日本のスーパーに行かなくてもある程度のものは買うことが出来ます。

以前来た時には街の中心部で爆弾騒ぎなども起こっていたので、かなり行動が制限されていたのですが、今回は初めて観光にも出てみました。
フィリピンは知っての通りスペインのフェリペ2世の名前から取られていますが、1529年からフィリピンはスペイン領となって、19世紀末まではスペインの植民地となります。 250年間はマニラとメキシコのアカプルコを繋ぐガレオン貿易が続き、そのせいか、マニラの旧市街の壁に囲まれた”イントラムロス”はメキシコな雰囲気が漂っています。
この聖堂はサン・アグスチン教会。
1571年の築で、第2次大戦の際には日本兵の指令本部として使用され、終戦直前、イントラムロスはアメリカ軍の空爆でほぼ灰塵と化しますが、唯一この建物だけ生き残ったそうです。


3艘のこのガレオン船でアカプルコとの往復をしていたそうなのですが、1艘はグアムの近くで、もう1艘はマニラ近海で沈んだそうで、1艘は大変な航海を乗り越えたそうです。


フィリピンは敬虔なローマ・カトリックの人達が多いですが、東南アジアにこのような教会があることには驚いてしまいます。


リアルなイエスやマリアの像があるあたりは、メキシコやスペインの教会を彷彿とさせます。

スペイン、ポルトガル、メキシコにある修道院のような中庭。

1671年に作られた祭壇。 何度も像が盗まれる被害に遭いつつも、今はこのような姿を残しています。




1714年にマニラで作られた聖杯。 このような物がつくれるくらいの財力と技術があったんですね。

1500年代には、このような祭礼に使われる物はスペインから運ばれていたのですが、17世紀に入ると現地で中国人やフィリピン人によって作られるようになったそうです。
ここの天井には16世紀末の装飾がほんの少し残っています。 湿気の多い気候、天候のせいで、当時の装飾はほぼ消えてしまっているそうです。



17世紀末の祭壇。


この聖歌台は17世紀初めの作で、フィリピンの黒檀カマゴングが使われているそうです。


教会の敷地からは沢山の中国の陶片も出土しているそうです。


フィリピンはカピス貝と呼ばれる薄い貝の細工が有名なのですが、ここの教会の窓。。。 何と全てにその貝が使われています。 ぱっと見分かりにくいのですが、近づいてみるとその枚数の多さに驚きます。

イントラムロスの真ん中あたりはちょっとスラム。
この凛々しいニワトリたち。 決して卵用ではありません。
フィリピンのおじちゃん達の楽しみ”闘鶏”用です。

イントラムロスは要塞の壁に囲まれているのですが、ここがサンチャゴ要塞。
もともとは16世紀末に中国の海賊から街を守るために造られましたが、その後日本軍も占拠します。







1945年、この建物では日本兵によって600人のフィリピン人が虐殺されたそうです。
ポーランドに行った際などには、自分がドイツ人かロシア人だったら、絶対この地には来られないと思うことが多々あるけど、日本人として中国、東南アジアに来ると、似たような息苦しさを覚えることがあります。 こういう時は、いち地球人として、過去の歴史の波にのまれた痛ましい犠牲者の方々に手を合わせる事しかできないですね。


要塞の先にはスラム街。
ここの要塞にはフィリピンの英雄ホセ・リサールも幽閉されていたのですが、彼の博物館も併設されています。
ここに来るまで恥ずかしながら彼の名前すら知りませんでしたが、フィリピンをスペインからの独立に導いた革命家。 同時に医師であり芸術家であり、作家、学者でもあったホセ。 35歳で銃殺刑に処さられるまでに二十数か国語を習得。 世界各国の大学で学び、いわゆる超天才。 祖国を愛するが故の行動が政治に触れ、若くしてその才能溢れる命を散らしてしまいます。
銃弾の跡の残る骨。
未だに転がった大砲。


10万人の人が命を落とした1945年のマニラの人達を巻き込んだ日本軍とアメリカ軍の戦い。 その記憶を伝えるモニュメント。


このあたりとってもメキシコ。


むっとした空気と排気ガス。

マニラには随分と日本のチェーンが進出していますが、なんと”てんや”まで!!
ライスがちょっと日本っぽくないのが残念だけど、それ以外は日本のそれと大差なし。 しかもお安い!
さぁて、世界で一番高価なコーヒーと言えば?
”カフェ・アラミド”。 日本で飲もうと思うと一杯5000円はするという代物。
ここでは?
150円。
こちらでも普通に飲めば1000円くらいはするそうなのですが、自分たちがマニラで見つけたお店は袋でジャングルから買っているのか、格安! しかも在庫が無い時もあるそうで、確認要。
この”カフェ・アラミド”。 なぜにそこまで高価かと言うと、それはジャコウネコのフンだから。。 ジャコウネコは美味しいコーヒーの実だけを食べるそうで、そのフンには消化されなかった種が出てくるので、それを拾い集めたものがこのコーヒー。 ジャングルを歩き回ってフンを回収するので、生産量は極めて少なく、その為に輸出されるものは大変高価になるそうです。
そしてお味の方は? 意外と普通のコーヒー。 多少独特な香りはありますが、後味もすっきりした飲みやすいコーヒーでした。
ここのカフェで400g売ってもらったので、お土産で持って帰ります。 日本で400g買うと3万円くらいするんだそう。。。 ここでは1000円でした。 友達も400g買ったら、お店の在庫が無くなってしまいました。。。
お土産屋さんに売っているものはこんな感じ。 100gで2000円くらい。
ここ数年、パーティー会場を探すのは自分の仕事になってしまっていますが、今年はSOFITELの大きなパーティーへ。 食事もエンターテイメントも最高で、本当に楽しい年越しになりました。 カウントダウンで外に出ると目の前で花火。 近すぎて火の粉が降り注ぐくらい。。。
2018年もよろしくお願い致します。
ということで、マニラでの仕事を無事に終えて、明日から2週間日本に帰ります!! ちょっと過ぎてしまいましたが、19年振りに日本のお正月の雰囲気も味わえるかな?