Thursday, May 5, 2022

baton rouge

ツアーも残すところあと2週間になり、そろそろ帰り支度も始めてるところです。

先週のテキサス、オースティンでの忙しい公演が終わり、夜中にバスで8時間移動してルイジアナはニューオリンズのもほど近いバトン・ルージュへ。 みんな休みはニューオリンズで過ごしているようですが、自分は毎夜飲んだくれる習慣もないのでこの何もない場所で過ごしていますが、ここでも名物のケイジャン料理のレストランは多いので、昨日行って来ました。


ケイジャン料理と言えば”ガンボ”や”ジャンバラヤ”などが思い浮かぶと思いますが、様々なスパイスが使われていて独特です。 ここルイジアナはもともとフランス領だったので、地元の食材を使ったこのような料理が生まれたようです。 が、イメージをしてはどれも赤茶色。

ここではザリガニもシーフードの部類に入っているので、ガンボにはカニ、エビ、ザリガニが混在。。 オクラも使われるのでとろとろした感じ。 牡蠣も有名ですが、ここは夕方からしか出ないらしく、これは岡山に戻ってから食べるかな。。



せっかくの休みに何かできることは無いかなぁと探していたら、案外ご近所にプランテーション時代の建物を保存してある"Rural Life Museum(昔の生活博物館)"を発見、行って来ました。
1万6千平と、かなり広大な敷地を所有者が寄付をして、現在はボタニカル・ガーデンやこの博物館として大学が運営をしているようなのですが、ルイジアナはアメリカ大陸への侵略には大変重要だったミシシッピ川の入り口と言うことで、スペイン、ドイツ、フランスと、様々な国の支配下に置かれていた歴史があります。

ここルイジアナにも巨大なプランテーションがあちこちに作られ、大量の黒人奴隷が働かされていました。



街のところどころで見ることの出来る石臼。 ミュージアムには当時使われていた様々なものも展示してあります。

もともとルイジアナに初めにやって来たのはスペイン人で、1528年のこと。 その後17世紀の終わり頃、フランスがメキシコ湾からカナダまでの広大な土地の領有権を主張。ルイ14世にちなんで”ルイジアナ”を名付けられるも、その後の戦争でスペイン領に。 が、フランス、スペイン両国からの移民は増え続け、同時にスペインが大量の奴隷を輸入します。

19世紀の初めにはニューオリンズは華の時代を迎え、アメリカ第3の都市へと発展。国内最大の奴隷市場となりました。 が、同時にルイジアナは自由黒人が一番多い州でもあり、裕福な黒人も多かったそうです。

南北戦争の際には上流階級の商業的利益が確保されていたということもあって、早い時期に敗北をしていています。



この時代を語るとき、切り離すことの出来ない黒人奴隷の歴史。 大変だった史実はどうであれ、現在は黒人文化はアメリカ文化の一部であるし、それぞれがそれぞれの違いを尊重できる世の中であったらいいと思う。






南部の経済を支えていた綿花栽培。


広大なプランテーションで使用されていたベル。


サトウキビ栽培も盛んで、この大きな鉄の鍋も街のあちこちで噴水になっていたりして残っています。



広大な沼地の風呂がるエリアなので、魚やアリゲーターをこの森で捕っていたそうです。


南北戦争の際の砲弾。


フォードのクラシック・カー。



かなりの数の馬車も保存されています。 やはりイメージは風と共に去りぬ。



言うならば霊柩馬車。




診察台。



周辺地域にあった当時の建物が移築保存されています。


1835年築の学校。
もともとは黒人用のキャビンとして建てられたもので、その後1930年頃までは学校をして使用されたそうです。



1835年築の外人用の家。


この辺りの家をしては広いポーチが特徴的。 この辺りは湿気が多く、とにかく蒸し暑いので、外で涼んだり、風通しのいい家が必要だったのかも。


とにかく蒸し蒸しとして虫や蚊も多いので、蚊帳は必要!







診療所の様子。


1830年頃の二軒続きの奴隷用キャビン。




こちらは1840年頃の独立した奴隷用キャビン。



砂糖を煮詰めていた場所。



1870年代のカナダから逃れてきたフランス人”アカディアン”の小屋。 ちなみにこのアカディアンがケイジャンへと変化します。 小屋の形状が大草原の小さな家。。



アカディアンの人達の家。




こちらは1870年代の教会。



ステンドグラスではなく塗られた窓。


セメタリーの様子。



1800年頃に建てられたキャビンですが、1960年代まで住んでいたんだとか。





1860年代に建てられた家で、こちらも1970年代まで人が住んでいたそうです。 暑さ寒ささえ改善されたら、とっても雰囲気のある家なのかも。。



天窓付けたら明かりも入って快適そう。






自分がいつもアメリカで特徴的だなと思うのがマグノリア。 モクレンと同じ種類ですが、初めてアメリカに来た頃はこの葉の濃いグリーンと、ぽってりと大きな花に驚いたのを覚えています。











広い敷地を、照りつける太陽の光の中歩いていてふと見上げるとこの虹。
教えられて”環頂点アーク”かなと思ったのですが、時間帯的に考えると、そっくりな”環水平アーク”なのかもしれないですね。 初めて見たぁ!






同じ敷地内にあるバラ園。 う~ん、いい香り。






クロッカスってこんな不思議な咲き方してたんだ?

さて、今週も仕事頑張ろう。