Friday, October 4, 2019

earl grey, howick hall gardens & arboretum

 交通の便がいまいちよくないのですが、この日向かったのは紅茶で有名な"Earl Grey(Cherles Grey チャールズ・グレイ / アール・グレイ)"の住んでいた館"Howick Hall"。
第2代アール・グレイ(1764~1845)に関しては数年前にも触れたことがありますが、首相も経験した伯爵で、デヴォンシャー公爵の妻で社交界の華ジョージアナ(Georgiana)と不倫関係のあった人。 このジョージアナとデヴォンシャー公爵の人生もかなりドラマティックなのですが、詳しくは映画”ある公爵夫人の生涯(The Duchess)”に描かれているのでおススメです。
https://howickhallgardens.com/

チャールス・グレーはロンドンよりもここの邸宅を愛したそうで、ここで生まれ、亡くなっています。
エントランスから屋敷までのアプローチだけでも、色々な植物があって目を楽しませてくれます。


今回はとっても場所の雰囲気がよかったので、ほぼ全て大きな写真で載せます。

小さなシクラメンが群生。



2代前まではGreyの名字継いでいたそうなのですが、第5代チャールズ・グレイの後は長女さんが継いだそうで、Howickとなっていて、現在もこちらの西の棟に住まわれています。 ちなみにGreyの名字も血縁を遡って継がれているそうなのですが、案内書のおじさんがその件に関していい話をしていなくて、現在はフランスに住んでいるんだとか。 名字は変われどHowick家が血統的に正統と言うことでしょうか。
それはともかく、現当主のお父さんという方が庭師兼植物コレクターだったと言うことで、この広大な敷地の庭園と樹木園が整備されたそうで、現在は5キロほどの道のりを歩きながら楽しむことが出来ます。
本当はここは半日だけ滞在しようと思っていたのですが、あまりに素敵過ぎて、結局1日中緑の中で過ごしてしまいました。
案内書のおじさんの勧めで、ランチ前に館周辺を散歩。
一見無造作に植えられているかのようで絶妙なバランスの取れたイングリッシュ・ガーデン。 自然との調和の仕方が本当に素敵です。

寒いくらいの日でしたが、まだまだあちこちに花を咲かせる草木。




























どちらを見ても美しくて、キリっと引き締まった空気の中、何時間でも座っていられそう。
よく映画の中でも邸宅の広大な庭に散策に出かけるような場面がありますが、まさにそんな感じ。


お昼も過ぎたので、邸宅内になるティー・ハウスへ。

第2代アール・グレイ。
ランチの後はスコーンともちろんアール・グレイ!!
窓からの緑を眺めつつ、ゆーったりした時間が流れます。
多分アール・グレイも同じ景色を見ながら同じ紅茶を楽しんでいたことでしょう。
こちらではここ専用に作られているアール・グレイを購入することも出来ます。 オリジナルのレシピに近いそうですよ。
ちなみにアール・グレイのレシピは現在のトワイニングにあるそうなのですが、グレイさんは商標もコミッションも取っていないらしいです。
ランチの後は長い散策へ。
この葉っぱ、写真では伝わりにくいですが、自分の背丈ほどもあります。
館からもほど近い緑の中に静かに佇むのがこのチャペル。

冷えた空気の中に小鳥のさえずりだけが聞こえて、凡人でも清らかな気持ちになれそうな場所です。
数百年に渡っての代々の方々が眠っていますが、こちらは第2代アール・グレイさんの棺。 新鮮なお花も供えてあって、200年経っても何かが生き続けている感じ。

生があっても無くて安らかな気持ちになれるチャペルです。
敷地内の歩道はほぼどこもこのような緑の絨毯。
とっても印象的なこの針葉樹の実。 グレーと紫の混ざったような、木々の中でもハッと目立つ色。

散策中に何度も出会った雉。 ここから帰るバスの車窓からは、群れになったオスの雉やウサギなんかもいて、ディナーの準備はOKと言った感じ。
池には数羽の白鳥。


こんなに寒くても草木が生き生きとしていて、本当に清々しい散策。
手の加えられた部分と自然とのバランスがとっても絶妙で、自然以上に自然に見える不思議。
この辺りの一方通行のゲートを抜けると敷地外に出て、海岸に行き着きます。


ここからしばらくはクリフ・ウォーク。


冷たい風が吹き抜けます。





遠くに見えるのはDunstanburgh Castle。
イギリスにも多くの古城が点在していますが、ここのすぐ近所にあるのがあのハリー・ポッターの撮影をしていたことで有名なAlnwick Castle1。 多分日本人でもこっちのお城を訪れる人は多いと思うのですが、時間があるなら絶対にHowick Hallも来るべき。





帰りのバスまでもう少し時間があったので、もう一度庭を眺めていると、兄弟が日本に住んでいるという、もう25年近く働いているという庭師のロバートさんが話し掛けてきてくれて、しばらく色んな話をしていたのですが、庭師は9人、剪定師が2人でこの広い敷地の世話をしているそうで、世界中から植物をコレクションしていて、日本からも北海道(ここの北緯は北海道よりはるかに上なので)の植物をいくつも植えているんだとか。 
ちなみに館は1階部分に庭の植生についての説明のみがしてあっただけで、グレイ家の歴史については史料数枚あったのみ。 大きな館のほかの部分はどうなってるのか尋ねたところ、最近ちょっとリノベーションをして公開しようと考えてるけど、何にも使われていないとのこと。 ご当主さんは、実際に住んでいると言うこともあって、そんな観光地にする気もないらしく、庭を楽しんでもらいたいと言うことだそうです。
ロバートさんの家も敷地内らしくて、”今度は是非お茶を飲む為に自分を訪ねて来てくれ、自分が日本に行った時、日本人はとっても親切にしてくれたから、僕も訪ねて来てくれる人を大切にしたいんだよ”と言う会話で別れました。

とーーーーっても癒された一日でした。
帰り、森の木陰のサインもないバス乗り場に行くと、そこには小さなキノコの大行列。

ニューキャッスル(なぜかカタカナ表記にすると”ニューカッスル”なのですが、それってイギリスの発音に合わせたのかぁ?Castleって日本語だとキャッスルって書くと思ってたんだけど。。。イギリス発音に合わせるんだったら、いっそ”カッソー”にした方が近いかもよ?)
それはともかく、地下鉄のゲートに自分の顔写真を発見。
 ニューキャッスルにあるグレイ・ストリート。
その先にあるのがグレイ・モニュメント。

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