Tuesday, December 3, 2019

london part one

色々と忙しく、今のところ更新が3週間押しです。

ロンドンはウェンブリーです。 初めて来た頃には何もないロンドンの郊外の町だったのですが、どんどん開発も進んで、クイーンの映画でも有名なウェンブリー・スタジアムも改修されて、今ではアパートも林立するちょっとオシャレなエリアに変わってしまいました。
2日の休みは予定がびっしり。 この週はアメリカからタレント・コーディネーター全てのショーを見ていたし、心身ともにぐったりなってしまいました。
さて、休みの日の一日目はケンジントンにある”ヴィクトリア・アルバート・ミュージアム”へ。
ここへは以前アレクサンダー・マックイーンのエキシビジョンでも来ていますが、今ちょうどピーターラビットでも有名なビアトリクス・ポターの作品展をしていたので寄ってみました。
湖水地方の農場を手に入れ、そこで身近にいる動物たちを登場させる創作活動を続けた絵本作家で、見ているだけで微笑んでしまうその作品は世界中で愛されています。


板塀を開け閉めして遊べるToy Picture。
友人の子供を楽しませるために作ったミニチュア・レター。

V&Aミュージアムはとにかく巨大で、自分的には大英博物館よりも好きなのですが、特にデザイン関係に特化していて、ゆっくり見れば1日では足りません。 と言うことで早足で通り抜けていた時にふと見かけたヴィクオリア女王のティアラ。 アルバートのデザインしたものだそうでまさにヴィクトリア&アルバート。
次に向かったのは、一度は入ってみたかったロンドンのランドマーク的なビル、小さなキュウリを意味する"The Gherkin"。
この日はここのてっぺんで友達と飲む予定にしていたのですが、イベントなどで使われていることも多いので、ウェブサイトでチェック、予約をしていくのが安全です。
ここはあくまでもオフィスビルなので、一階の受付で名前を告げてIDを見せたらゲートを通るセキュリティ・パスをくれるので、それを持ってセキュリティとゲートを通過。 エレベーターを乗り継いで、そこから階段を上がれば頂上のバー”IRIS"です。


眼下にはテムズ川にかかるタワー・ブリッジとロンドン塔。

いやぁ、ロンドンはいくつかのランドマーク的な建物のスカイ・バー行ったことがあるけど、ここは眺めも良く、静かで良かったです。
https://searcysatthegherkin.co.uk/iris-bar/
この日の夜はコベントガーデンでバレエ”眠りの森の美女”。







劇場には伝説のバレリーナマーゴット・フォンティーンの展示。
今回のブログには関係ないものの、せっかくマーゴット・フォンティーンについて触れたのでクリップを1つ。
名作プロコフィエフのロミオをジュリエットですが、バルコニーのシーンの喜びと戸惑いに溢れた曲と表現がとっても素敵。 引退をささやかれた40代半ばで名ダンサーヌレーエフと出会って10年間、伝説を創り上げますが、この二人の歳の差は20歳余り。

お安い席で見てたので、この席でしたが、さて、ここで事件が起こってしまいます。
この日はオーロラが日本人の高田茜さんだったのですが、すでにフロリムント王子のキャスティングが変更になって、これまた日本人の平野亮一さんが務めることになっていました。
チャイコフスキーの素敵なメロディでプロローグも終わり、第一幕でついにオーロラ登場。 が。。。日本人バレリーナの機械仕掛けのような正確なテクニックも無ければ、まるで初めて舞台に立つかのようなおどおどした感じ。。。”え?ロイヤルバレのプリンシパルがこんなもの??名門バレエ団で舞台を任されてるなら自分の踊りを見てくれ!くらいの自信に溢れてて当然じゃない??”とまぁ。。。ショックにも近いような驚きを覚えたものの、一幕も後半に近づく頃にはちょっと動きもよくなってきて、”まさかの準備不足?”と疑うほど。
一幕が終わって休憩後着席するも、第二幕が始まらず。。。オーケストラは全員席についていたので、あぁ、これは裏で何かあったなぁと勘ぐり始めて20分くらい経った頃でしょうか、”プリンシパルが故障の為代役がこちらに来るのを待っている”とのこと。 やっぱりな。。と思うと同時に”代役が会場にいない???” この時点で随分押していて、会場の人に聞くと、まだ幕が開けられるまで30分くらいかかるとのこと。 2幕と3幕は休憩なしに続くので、ウェンブリーに帰るには終電が無くなる。。。 と言うことで、不本意ながら帰ることに。
ここで疑問。 パフォーマーとしては自分を観に来てくれるお客さんの為に無理を押しても演じることは当然。 これは自分も含めてどこからアウトになるか無理して出るかの線引きをするのは本当に難しい問題。 この辺り外人は割り切っていてすぐにアウト出来たりするのですが、日本人って頑張ってしまうからこういうことは起こりがちだと思う。
が、しかし!! 舞台ってスポーツと違うから、楽しいイブニングを過ごそうとやって来ている大半のお客さんにとって、そのプリンシパルが踊るかどうかよりも、美しい舞台を観て楽しい時間を過ごす方がもっともっと重要。
帰らざるを得なかった客も多いし、チケット代は全員半額返金することになり、興行主側にとっても大損失。
無理だと思った時の引き際を間違えると名門バレエ団の名前にも傷をつけるし、多くの人の楽しみにしていたイブニングを台無しにしてしまいます。
怪我を治して早く多くの観客に素敵な踊りを披露してほしいと思いますが、今回は大失敗だったのでは?? 辛口すぎかな??
ウェンブリーのスタジアムに向かうアプローチ。
次の日のトラファルガー広場。 この有名な4体のライオン。 三越のライオンのモデルになったいるのは知られた話ですが、以前は(自分も含め)このライオンにまたがって写真を撮ったり、人がまみれていたのですが、なんと今はここへ上がるのが禁止に!! 怪我人でも出たのか??
さて、朝からここに来たのはナショナル・ギャラリーに行くため。。ではなく、その奥にあるナショナル・ポートレート・ギャラリーに行くため。
ナショナル・ギャラリーには何度も足を運んでいますが、なんと、ここには一度も来たことがなかったんです>< ここに足を運んだ一番の目的は、ブランウェル・ブロンテの描いた姉妹の絵の本物を見る為。
ヘンリー8世とその父を描いた大きな作品の下絵ですが、完成作品は1698年の火災で焼失してしまったので、唯一この下絵が残っているそうです。
無茶ぶりを発揮しまくったヘンリー8世と姉、弟の人生を振り回し続け、後のエリザベス女王を生み、36歳で断頭台に消えたアン・ブーリン。
このアイコニックなネックレス。 ブログで何度も紹介していますが、映画"The Other Boleyn Girl"はこの辺りの時代の流れをドラマティックに描いていておススメ。
アン・ブーリンも出世を願い過ぎ、ついにヘンリー8世の逆鱗に触れ断頭台へ。
1575年に描かれた、エリザベス女王の肖像画の中でも最も重要なものの1つと言われているもので、確実に彼女の生きていた時代に描かれたものらしく、後世に描かれた彼女の肖像画の参考にされたそうです。


フェニックスと呼ばれるエリザベス女王の肖像画。 胸にフェニックスのジュエリーがありますが、かなりの重量の宝石を身に付けています。

1600年に描かれたエリザベス女王の戴冠式の肖像画。 1559年に描かれたものの無くなってしまった作品のコピーとされています。
この耳に大きなパールを飾っているのは、これまた小説よりも小説的な生涯を送ったSir Walter Raleigh (ウォルター・ローリー)。
ヴァージン・クイーンと呼ばれたエリザベスの寵愛を、唯一受けていたと言われるウォルター。新大陸の植民地化を成し遂げて、クイーンにちなんでヴァージニアと名付けた彼。
様々な働きによって女王からかなりの優遇を受けていたものの、秘密に結婚し知たことが発覚、女王の逆鱗に触れます。 女王という立場、男には彼だけに心を許していたのなら、彼女のショックはいかばかりか。。 ロンドン塔へ幽閉される身になりましたが、その後スペイン戦争で成果を上げ、国での立場を回復、再び女王の寵愛を受けることになりますが、それも女王の死去と共に終わり、最期はスコットランド女王メアリーの息子ジェームズ1世の命で処刑されます。
これが彼の一番有名な肖像画ではないでしょうか? ご存知シェイクスピア。
シェイクスピアの史劇でも知られたリチャード3世。

キャプテン・クックとして有名なトーマス・クック。

最近度々登場しているジョージ一世。 やはりダーンリー卿の面影があるよなぁ。
1820年に描かれたクイーン・カロライナのトライアルの議会の様子を描いたもの。
中央に立っているのは当時首相だったアール(チャールズ)・グレイ。

その彼の肖像画。
ロード・バイロン。
こちらも破天荒な一生を過ごした方。 生き方はめちゃくちゃだけど、それだけ情熱と才能に溢れていたのかな? 有名なバレエ”海賊”の原作にもなった”海賊”は、なんと4日間で書き上げたんだとか。


写真では伝わりにくいですが、かなり巨大な壁画のような絵。
The Royal Family at Backingham Palace - 1913
凛とした空気が流れていて、大変素敵な作品。 ジョージ5世、プリンス・メリー、ハーウッド公爵夫人と後のエドワード8世。
この日は丁度第一次世界大戦の100周年記念の日。
ウィンストン・チャーチル。

第一次世界大戦の政治家と題された作品。
さて、今回ここを訪れた一番の目的だったブランウェルの描いたブロンテ姉妹。
真ん中に描いた自分を消してしまう程の嫉妬と屈辱感に押し潰されたにもかかわらず、これまた有名になった姉妹のお陰で本人の絵がこのギャラリーで展示されることに。
これもブランウェルの描いたエミリー。
オリバー・ツイストや二都物語の作者としても有名なチャールズ・ディッケンズ。
ダーウィン。
愛犬のコーギーとエリザベス女王。
イギリスの首相と言えばやはり鉄の女。 マーガレット・サッチャー。

エド・シーランやエルトンジョンまで。
ピカデリーサーカスへ。


今日はここHotel Cafe Royalでアフタヌーン・ティー。
以前には母と食事とバーレスクを観に来ました。


ここはオスカー・ワイルド・バーで、1865年にオープンして以来、オスカー・ワイルドが愛し、ミック・ジャガー、エリザベス・テイラー、ビートルズなども夜通し踊った場所。 



ヴーヴクリコとスープ。
上段のパイはヴィクトリア女王の愛したレシピなんだとか。 甘めに煮込まれた牛で、添付のマスタードが和からしの様だったので、口に入れた感じはおでんのスジ。 ヴィクトリア女王も和テイスト?!
定番のサンドウィッチも美味しく、お代わりしたら後が食べられなくなる恐れを抱きつつも、ターキーとクランベリーとサーモンはお代わり><
口直しはロゼワインのゼリー。
戦いの始まりはここから。
ポンッ!としてずっしりとしたスコーン。
いやぁ。。。クリームと共に食べたらおいしい!! これを二つ制覇するのに結構な時間を要しました。
ここでシルバー・ニードル・ティーにチェンジしたのですが、葉っぱ5枚で2リットルは淹れられるとスリランカで教えられてた高級茶葉なのに、ゲスにもポットを開けてチェックしてみたらこの通り。茶葉がた~っぷり入っていました。 こりゃ抗酸化作用に美容効果抜群じゃないか??? 贅沢過ぎるじゃないか。
それはともかく、ここから上段の4つのケーキを胃の中に納めるのは執念でした。
だったら残せばいいって? それを”庶民”に求めるのは無理な事。

メイフェアのオシャレ通もクリスマス一色。
ちょっと立ち寄ったのが、ここのポール・スミスの店舗。 お店の部分と地下がギャラリーになっていて、なかなかユニーク。 彼のお気に入りのアーティストの作品が展示販売されています。
この日の夜はモーツアルトのオペラ”魔笛”。
ディアナ・ダムラウのクリップで話題になったコベントガーデンのプロダクションですが、やはりクイーン・オブ・ザ・ナイトの部分は圧巻でした。 しかし、魔笛ってちょ~~~っと間延びする部分が多くて長い。。

この日は仕事の前にウエストミンスター寺院へ。 現在ビッグ・ベンは工事中。
時計だけ顔を出しています。
ここにも何度来たか分かりませんが、今回のヨーロッパツアーではエリザベス女王とスコットランド女王メアリーの関係を探っていたので、もう一度ここに埋葬された二人の関係を見直してみようと足を運んできました。

いやぁ、興味深かったです。
エリザベス女王のお墓は印象にも残っていたし、とても豪華で威厳のあるつくりなのですが、身廊を挟んで反対側にあるメアリーのお墓はエリザベスのそれよりも大きく華やか。フランス、スコットランド、イングランド三国の王となる人であったと碑文にも彫られ、それを象徴する花の装飾が天蓋にされています。
このエリザベス女王とメアリーのお墓を制作したのはジェームズ1世。そう、メアリーの息子です。 別の場所に埋葬してあった母メアリーをこの場所に移し、エリザベスよりも大きなお墓を建造したというのは、母への慈しみからか、エリザベスよりも実母の方が正当な王位継承者であったと言うことを主張することで自分の立場を堅固にしたかったのか。。 幼少時から合うこともなかったであろう親子なら、後者の方が正しいのかもしれないけれど、やはり首を切られる運命になった母への慈悲であって欲しい。

別の日には美容院にも行って来たのですが、今回選んだのはケンジントンにあるLarry Kingというサロン。 そこのヘアドレッサーJames Pryceさんにお願いしたのですが、この方はウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の際にキャサリン妃の髪を担当した人。
とっても気さくでいいヘアドレッサーさんだったのですが、仕上がりは自分が日本でお願いしてる人の方が丁寧で上手。 世界中でいろんな人にお願いしてみて入るものの、最終的な結論は、日本の地方のサロンの方がカットに関しては技術が上でしょ。。ってこと。
ロイヤル・ヘアってことでしばらくは楽しみます。
ヨーロッパにいる間に1つ眼鏡を新調しようと思っていて、当初はパリの眼鏡やさんを予定していたのですが、結局もう一か所迷っていたロンドンのサヴィル・ロウにしてしまいました。
ここはイギリスの伝統的な眼鏡を全て手作りで作っている会社なのですが、ジョン・レノンのアイコニックな眼鏡や、ハリーポッターが掛けているのもここの眼鏡。
自分は飽きの来ない、この会社が一番初めに出したモデルを購入。 日本に帰ったらレンズを入れよう!
ちなみにこのサヴィル・ロウという名前はメイフェアにあるスーツの仕立て屋さんの並ぶ通りなのですが、着物を大切にした作家白洲正子の旦那さんで、日本のダンディズムの走りだった白洲次郎。 そんな白洲次郎がスーツを仕立てていたHenry Pooleもサヴィル・ロウのお店。 それが日本に伝わってサヴィル・ロウ=”背広”になったんだとか。

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