Thursday, December 13, 2018

norman rockwell

NYのアルバニー。
ここへ来たら、車で1時間ほどのところのStockbridgeに大好きなノーマン・ロックウェルを訪ねて日帰り旅行。
前回数年前に来た時には大雪で大変なドライブでしたが、今回はいたって晴天! 田舎を走るには気持ちのいい天気。
ハイウェイを降りるとロックウェルの絵の中に入り込んだような景色が今でも広がっていて、テンション上がりながら2度目の"Norman Rockwell Museum"へ。

"Boy with Baby Carriage 1916"
1916年のロックウェル最初のSaturday Evening Postの表紙。
自分の家にもこれのオリジナルの雑誌をコレクションしていますが、ロックウェルにとってはとっても大切な作品。
以前のブログにも書いたと思いますが、当時は雑誌には3色しか使われていなかったので、黒と白と赤で構成されています。
ロックウェルの作品はどれもユニークで、眺めれば眺めるほどふっと微笑んでしまうようなストーリーのディテールが満載で、これも日曜の教会から赤ちゃんを乳母車で押して出てくる友人に”自分たちはこれから野球に行くからバ~イ!手伝い頑張れよ!”と言ったセリフが聞こえてくるようです。
ちなみに作品の中の男の子はみんな同一人物で、ロックウェルは近所の彼を何度も作品に登場させていますが、彼はしばらく後に不慮の事故で亡くなってしまいます。
Veterans of Two Wars 1918
赤十字の雑誌の表紙。
第一次世界大戦のアメリカの兵士と南北戦争のベテランの兵士が並んでいる作品。
時代を感じます。
Christman Trio 1923

Girl at Mirror 1954
ロックウェルのメジャーな作品の1つですが、 左端にある人形を卒業して、雑誌の中の女優さんに憧れて母親の口紅とブラシ使って鏡に向かってポーズをとる、甘酸っぱい作品。
Before the Shot 1958
ペニシリン注射を受ける前不安に、信用できる医者なのか、理解も出来ない医者の免状をのぞき込む感じかな? 赤の帽子と赤のラインで自然と子供の視線にフォーカスするように構成されています。
この美術館が設計された時に、このホールは4枚の"Four Freedom"の為につくられました。
ワシントンからの依頼で1943年に描かれたものですが、第二次大戦の戦争基金の為にも使われました。
もちろん作品の中の人達は近所の人達なのですが、中にはロックウェル自身も紛れ込んでいます。
 Boy Painting Girl's Slicker 1927

Life of a Little Girl 1952 (Study)
ロックウェルは年に6,7冊のペースでSaturday Evening Postの表紙を描いていたそうなのですが、1作品にかかる時間は4,5か月くらいだったそうで、依頼されてからテーマ、構成を練って描いていたそうです。 ロックウェルはテーマが決まると近所からモデルを選んで、自ら演技指導をして写真を何枚も撮って、そこから作品を描いていました。


どれも表情豊かで、日常の幸せに溢れています。
長年連れ添った奥さんを亡くし、かなり落ち込んでしまっていたロックウェル、しばらくして未婚だった学校の先生を再再婚。 そこから今までの作風とは全く違った辛辣さも込めた作品を4つ描いたそうです。
白人ばかりの住宅街に引っ越してきた黒人の家族。 興味津々に白人の近所の子たちが眺めていますが、作品を見ると色々と気が付くところが多いと思います。 白猫と黒犬、スニーカーとローファー、ピッチャーのグラブとキャッチャーミット。
ロックウェルならではの平和の描き方ですね。

地下にはロックウェルの描いた322冊のSaturday Evening Postが並んでいます。 最後の作品は1963年のJFケネディの追悼の回。
美術館の外には彼のアトリエ。
美術館から5分ほどで、彼が長年暮らしたストックブリッジがあります。 一番右がThe Red Lion Inn。 ロックウェルはこの街が世界で一番好きだったそうです。
今も描かれている建物全て残っています。
1773年オープンのThe Red Lion Inn。
 中には天皇皇后両陛下、小澤征爾、ヨーヨーマの写真。

時間の止まったような古いアメリカの温かなクリスマスの雰囲気。

今はキャンドルやさんになっている昔のタウンオフィス。
Marriage License 1955
タウンオフィスで婚姻届けを出すカップル。
現在絵の中の窓はドアになっていますが、 同じ場所が残っています。
ストックブリッジから数分離れたところにあるのがLeeというエリア。
そこにある"Joe's Diner"も絵の中に登場する有名な場所。
The Runnaway  1958
絵の参考にここで撮影された写真。
店員さんにどの椅子だったのか聞いて混ざってみました。。ははは。。。
 店内の壁には数十年後にモデルの二人が再び同じポーズをした写真も。

ミルクシェイクでお腹もたっぽたぽ。
丸一日趣味に浸って楽しい時間でした。

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