Saturday, January 17, 2009

orfeo ed euridice

今夜は久し振りのメトロポリタン・オペラへ行ってきました。
ここリンカーン・センターへ行くといつも文化的な香りが漂っていて、小さな子供たちを含め、みんなきっちりと正装している中に入っていると、なんだかとても安心します。 普段がそんなに高等な文化の香り漂うところで生活していないから、余計にここにいると、自分には持ち合わせていないものが一時期でも満たされるような気がするからいいんだろうね。 

今夜の演目はグルックの”Orfeo ed Euridice”(オルフェオとエウリディーチェ)です。


グルックは1700年代にオーストリアとフランスで活躍した作曲家。 皇女マリー・アントワネットの音楽教師でもあり、この作品は彼のオペラの中でも最も有名なものです。


ストーリーはギリシア神話で、簡単に言うと、妻エウリディーチェを亡くしたオルフェオが神に彼女を黄泉の国から連れ戻したいと願い、神はオルフェオに試練に耐えられるなら彼女を連れ戻されると条件を出します。 それは、地獄の番人をなだめることと、何があってもエウリディーチェと目を合わせないこと。 黄泉の国に言った彼は彼女にめぐり合い、手を引いて連れ戻そうとするのですが、彼女は目も合わせないでよそよそしいオルフェオを嘆き、オルフェオも思い余って彼女を見てしまうと、彼女はとたんに息絶えます。 オルフェオは嘆き悲しみ、短刀で自殺をしようとするのですが、そこへ再び神が現れ”お前の愛の誠は十分に示された”と告げると、彼女は息を吹き返しめでたしめでたしとなります。

なんとも単純明快な話で、全幕でも1時間半の短いオペラなので、3幕休みなしで演じられます。

今回のキャストは、指揮はあの有名なJamesLevine! オルフェオは代役でKristinChavez,エウリディーチェはDanielle de Nieseでした。
オルフェオは男でありながらソプラノで歌われるため、カストラートやカウンター・テノール、もしくは女の人で演じられ、今回は女の人でした。(ちょっと宝塚っぽいです)



映像は違いますが、エウリディーチェの嘆く時の歌です。



こちらも映像は全く違いますがオルフェオのエウリディーチェを失って歌う歌です。


深夜バスに乗る前に吉野家で腹ごしらえして帰りました。

2 comments:

Chiaki said...

ギリシア神話では、振り返ったために連れ戻すことができなかったという結末だったと思いますが、オペラではハッピーエンドなんですね。
日本神話のイザナギとイザナミにも良く似た逸話がありますが、日本神話はその続きが面白くて、蘇る前の醜い妻の姿を見た夫は逃げ出すし、見られた妻は夫を恨むしで、大喧嘩のあげく離婚に至るんですよね。

結末が変われば、話全体の印象も変わるので、オペラとしてはやっぱりハッピーエンドの方が美しいのでしょうね。

ISAO said...

へぇ~!自分は悲劇の結末のほうがいいような気がするなぁ・・・。 オペラって何でも大げさですが、あんなにお互いに嘆き悲しんで悲劇が起こったのに、結局もう試練には耐えたから二人を結ばせよう。。。な~んてのはちょっと納得できないかも。 

自分はそんなにオペラは詳しくありませんが、結構聞いてみるとそんなに敷居も高くないし、結構面白かったりするかも。 あのメトロポリタン・オペラでも、ウィーク・デーの安いチケットなら$15とかであるんですよ。