Thursday, January 28, 2010

simon boccanegra

また再びマンハッタンに戻って来ました。
今週はNJのトレントンでの公演なのですが、休みが2日あったので2泊3日で行って来ました。

今回友達の家にお世話になろうかとも思っていたのですが、ちょうど時を同じく自分の姉的存在の美紀さん(数年ツアーを一緒に回り、一緒あちこち旅もしてた仲)がNYのマンハッタンのいい場所に宿を取っていたので、そこにナターリアと共に潜り込むことに。


先日もNYの友達とも話していたのですが、NYにいてもまだ行ったことのないところは結構多いという話になって、その一番に上がったのがここ”MOMA”こと"The Museum Of Modern Art"。
ちょうど今日は時間があってふと立ち寄る気になったので行って来ました。

近代美術館と言うこともあってかなりコンテンポラリーな作品が多いのですが、ここにちょっとだけ気になった作品何点かを挙げてみます。


Vincent Van Gogh "Portrait of Joseph Rpulin" 1889
言わずと知れたゴッホの作品ですが、鮮やかで明るい雰囲気と、背景のモダンさが目を引きました。 青も緑も深みがあってなかなか好きでした。


Paul Gauguin "Stil Life with Three Puppies" 1888
ゴーギャンにしてはなんともかわいらしく仔犬が3匹も描かれていて、とってもほのぼのとした雰囲気。 かれ、こんなに可愛い絵も描いてたんだね・・・。


Pablo Picasso "Boy Leading a Horse" 1905 - 1906
かなり大きな作品なのですが、絵の周りの空気まで灰色に変色しそうなほどインパクト大な作品です。 灰色な雰囲気の中でしっかりと歩みを進める男の子に従う馬。 とても力強いです。


Gustav Klimt "Hope 2" 1907 - 1908
オーストリアで沢山彼の有名な作品を見た覚えがありますが、これもとても美しい作品で、それでいてちょっと謎めいていて、妊婦のお腹にはドクロが描かれていて、足元には3人の女の人。 金も鮮やかで艶やかです。


Gustav Klimt "The Park" 1910
これも同じくクリムトですが、この重なり合う木、幹の間を流れる風まで描かれているようです。 クリムトの雰囲気が十分に出た風景画です。


Marc Chagall "I and the Village" 1911
画の意味合いはともかくとして、シャガールらしさ満載の画です。 この独特の夢見るような雰囲気、シャガールしか出ないよねぇ…。

Frida Kahlo "Fulang - Chang and I" 1937
旦那ディエゴ・リベラの絵と共にこの彼女の作品も並べられていましたが、彼女の絵、残念ながらメキシコで見損ねていたので、ここでゆっくり見れました。
この作品は同じ額の鏡とセットなのですが、サルを抱いた彼女の雰囲気、かなり独特です。
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Amedeo Modigliani "Reclining Nude" 1919
モディリアーニの裸婦像ですが、あのひょうひょうとした感じが全くなく、とてもふくよかに美しく描かれていて、モディリアーニさが前面に強く出過ぎてないのが好きでした。


Andy Warhol "Gold Marilyn Monroe" 1962
ニューヨークで活躍した、ピッツバーグ出身のアンディ・ウォーホールですが、有名なマリリン・モンローを描いた中の一枚。
彼を抜きにアメリカの近代美術は語れないでしょう。
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今回ちょうどTimBurtonのエキシビジョンの最中だったのですが、この絵だけで彼が誰かを思い出すのは難しいと思いますが、彼はアニメーターであり映画監督、演出家、プロデューサーもこなすマルチなアーティスト。 俳優ジョニー・デップとは公私ともに仲良しで、そのお陰でジョニー・デップは不可思議な役の映画ばかりに出ています。
彼の代表作と言えば“シザーハンズ””スリーピー・ホロウ””マーズ・アタック””ビートルジュース””チャーリーとチョコレート工場””ザ・フライ””バットマン”“猿の惑星””ナイトメア・ビフォー・クリスマス”などなど、有名作品を上げるときりがないですが、最新作ジョニー・デップの“アリスの不思議の国”も彼の作品。
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今回のエキシビジョン、彼の考え出した世にも不思議なキャラクターの数々がデッサン、アニメーション、フィギュアとして並べてあったのですが、とってもクリーピー・・・。 アートとしてはとってもアートなのですが、やはりちょっと怪しく怖い。。。

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館内からの眺め。 ここに移転してから数年になりますが、建物自体がモダン・アート。 ビル街にぽっかりと穴を開けたかのような空間です。


今夜は再びメトロポリタン歌劇場でのオペラの観劇です。
ショーの前にMETのすぐ近くのレストランに行ったのですが、ちょうど今NYCはレストラン・ウィーク! 数多くのファンシーなレストランが、ランチのコースで$25、ディナーでもコースで$35と格安!  もちろん試させて頂きました。 う~ん。。。生きてて良かったぁ~!


レストランの入り口はこんな感じ。 シーフード・レストランらしく海な雰囲気。 中はめちゃめちゃオシャレで引きそうでした・・・。 今度はぜひデートで。。。(ってないない!)
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さ~て、今夜のメイン・イベント!
あの最後の3大テノール、スペインの生んだ巨匠プラシド・ドミンゴ主演のヴェルディ"Simon Boccanegra"です。 指揮もこれまた巨匠ジェームス・レヴァインで、完全豪華共演です。
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"Simon Boccanegra"
Conductor James Levine
Simon Boccanegra placido Domingo
Ameria Adrianne Pieczonka
Gabriele Marcello Giordani
Fiesco James Morris
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あまり知られていないこのオペラ、いろいろネットで読んでみても、作品自体があまりパッとしない評価。 いろいろな期待と不安を抱えて観に行ったのですが、大変素晴らしいオペラでした。
イタリアのジェノバを舞台にした権力と愛と恨みを織り交ぜ、25年以上の時を描く大作なのですが、ちゃんと話の流れを読んで行かないと理解するのは難しいかも。 かなりドラマなシーンが多く、曲も”ダダダ~~~ン!!”と言った感じ。 まるで時代劇の様な大胆で分かりやすい演出。 
音楽は素晴らしいし歌も美しく、なんでのこのオペラがほとんど上演されない幻の様な作品になっているのかが不思議なくらい。
プラシド・ドミンゴも、自分が言うのも何ですが素晴らしく、他のキャストも粒ぞろい。 3時間半にも及ぶ長い舞台ですが、完全にストーリーにのめり込まされた大成功な出来でした。




映像は去年のガラより。

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いつも華やかなタイムズスクエアを歩きつつ、今日も素晴らしい一日が終わりました。

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