Tuesday, January 15, 2008

munch


今日は仕事が午後からなので、午前中に冷たい小雨の振る中を歩いて15分ほどのムンク美術館へ。
4年前にはあった”マドンナ”や”叫び”が、2004年に盗難に遭ったため、現在修復中で公開されてなくて、ちょっと残念。 ちょうど3月まで入場無料だったので、以前にはなかった厳重なセキュリティー・チェックと、厳重なグラスドアを抜けて中へ。 
彼の作品は、どちらかと言うとシュールな幽霊か幻想のような絵のイメージがあるものの、ここにはそれでも心を惹きつけられる風景画や人物画も多数あり、ムンクと言えば"叫び"ばかりが先行するイメージを随分と変えられます。
受付の人に後で聞くと、盗まれた作品はバスの中で発見されて、雨に濡れたりかなりダメージも激しかったらしいのですが、今年の夏までにはこの美術館に戻ってくるそうです。 
ここの美術館は、日本の出光の後援があると以前ここの人が話してくれたのですが、今回も出光から”早急に絵の修復が終わり、戻ってくることを願う”といったメッセージボードが出ていました。 日本もこういった協力が他の国に対して出来ると言うのは、ちょっと誇らしいです。

ところで、"叫び"は数作品残されているのですが、それに対してムンクはいくつかの散文を残しているので、ここで1つ紹介

二人の友人と外を歩いていると、太陽が沈み始めた。
見る見るうちに空が血のように赤く染まる。 
私は疲れを感じて立ち止まり、フェンスにもたれかかる。
青黒いフィヨルドと街の上空が血と炎で彩られる。
友人達は歩みを続ける。
私はそこに突っ立ったまま不安に身を震わせる。
自然をつんざく終わりのない叫びを感じて。

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