Thursday, September 23, 2010

titanic


豪華客船タイタニックと言えば、処女航海で1500名の命と共に大西洋に沈んだ悲劇の船ですが、そのタイタニックを建造したのがここベルファストです。

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これが当時世界最大だったドライ・ドック。 ここを満水にして船を入れ、水を抜いて作業をする場所です。 満水にするのにかかる時間は100分で、抜くときは隣のポンプハウスで、当時は蒸気を使って抜いていたそうです。


この中がポンプ施設になっています。


タイタニックの建造が始まったのは1909年。 1年前に施工が始まっていた姉船のオリンピックに次いで建造され、そのすぐ後には妹船ブリタニックも建造が始まります。 と言うことで内装を含めてオリンピックとタイタニックは瓜二つだったそうです。
当時北大西洋航路は激戦区だったので、常に交代させながら運航するためにほぼ同時に建造が始まったそうです。
写真は当時働いていた人たちの帰宅の様子らしく、後ろには建造中のオリンピックとタイタニックが見えます。
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これは当時オリンピックの錨を運ぶ様子。 こんな巨大船を作る技術があっても、また何頭もの馬を使って運んでいるのは面白いですね。



巨大なスクリュー。 これが当時の写真ですが、下の写真が同じ場所の現在の様子。


この大きな扉は6分間で開け閉めが出来るそうで、反対側はすぐ海です。


これがドックの中に入っているタイタニック。 当時の人はこの写真を見て、その大きさに驚いたのでしょう。

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これが現在の同じ場所で撮った写真。 すでに煙突はなくなっていますが、ポンプ・ハウスの時計台の位置を確認してもらえば分かると思います。
1912年の4月10日に、ロンドンの下のサウサンプトンを出港して、その5日後、映画でも知っての通り氷山に激突して、この豪華客船はその短い生涯を終えます。
なお同時に建造されたオリンピックは第一次世界大戦で輸送船として徴用されたものの、戦火を潜り抜け、客船として復帰後は1935年まで現役を務めたそうです。 一方ブリタニックは病院船として徴用されて、一度も客を乗せないまま沈没したそうです。 氷山にぶつからないまでも、時代の大波にのまれた形ですね。
しばらくここに立って100年前の当時の様子を思い浮かべて、美しいままに沈んで行ったタイタニックを思いました。 

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