Friday, February 15, 2008

musee royal des beaux-arts

朝はとてもローカルなカフェでゆっくり朝食。 どの通りを眺めても1800年代から変化してないような風景で、その古びたカフェのテーブルは白い大理石、壁には古い写真や絵画が並んでいて、せわしく動き回るウェイターのおじちゃん達。 焼きたてのキッシュを窓際の古いショーケースに重ねて並べるおじちゃん。 もう何十年もここにはこうして毎朝焼きたてのキッシュが並んでいるのでしょう。 お店にはこれまた中高年の人たちで埋まっていて、そんなフランス語に囲まれながら、自分はコーヒーとデュマの椿姫で過ごしました。


今日は午前中に時間があったので、これまた歩いて5分ほどのところにあるベルギー王立美術館へ。
そこまで深い興味があったわけではないのですが、フランドル派のの絵などがあると聞いたので、せっかくだからと思って行って来ました。
王宮を始め、重厚な建築物の並ぶ一角の巨大な建物で、内部は以外にがらんとしています。 絵のセクションによっては昼の間に閉まるところもあるので、行く人がいたらちゃんと時間を考えて行って方がいいかもしれません。

さて、絵に関してですが、15,6世紀の宗教画がかなりの範囲を占めていて、もう少しフランドル派の作品が多くてもいいのでは?と思いました。 近代部門では、ご当地作家、シュールレアリズムのルネ・マグリットなどベルギー作家の作品も多くあり、どちらかというと、近代の絵の方が興味ありました。

ここで、自分の気に入った作品4点を紹介。

Boulenger Hippolyte
De oude Haagbeukdreef. Tervuren (1871-1872)
あまり有名な作家ではないようなのですが、ブリュッセルの作家で、描かれた紅葉した木々と落ち葉。深い黄と茶で統一された画面の奥行きが意外にも新鮮な印象で、ありがちでありながら斬新で吸い込まれるような雰囲気でした。


Emile Claus
Vaches traversant la Lys (1899)
Cows crossing the Lys
彼もベルギーの作家で、この絵はなかなかの大作。
深緑の川を波のうねりをつくりつつ渡る沢山の牛、れを船から見守る2人の子供たち。 陽の光に岸の緑は輝き、波の立った川と土と緑の香りは画面から溢れ、棒を握ったしっかりとした兄の後ろで弟は興味心身で身を乗り出しています。
日常を躍動感溢れる構成で描いていて、自分的にはこの絵がこの美術館での一番の傑作でした。
作家はこの作品を書き上げるのに、構成期間も含めて12年の歳月を費やしたそうです。
Rene Magritte
L'empire des Lumieres (1954)
鳥の形に切り抜かれた空の絵で有名な、ベルギーのシュールレアリズムを代表する画家ルネ・マグリットの作品です。 この作品のいい写真が見つからなかったので分かりにくいかもしれませんが、街灯の燈った夜の風景に青空という構成で、なんとも不思議で詩的なな印象を与えられます。 大変細密な仕上がりで、ついつい足を止めてしまう作品です。


Bruegel Pieter I (1562)
De val van de opstandige engelen
言わずと知れたブリューゲル。 どちらかと言うと、スケートをする人々や村の様子などを描いた、ほのぼのとした風俗画の作家なイメージしかなかったので、はっきり言ってこの絵にはおったまげました・・・。
英語名も日本語名も分からないので、この絵が意図するところが不明なのですが、何人もの天使が妖怪退治をしているような絵です。 妖怪たちはなんとも漫画チックで、とてもこれが450年もの昔に描かれているとは思えません。

今日はValentine'sDay。 チョコレートの国ベルギーでのヴァレンタインっていいもんですね!
今は仕事終わりでワインを飲みつつチョコをかじってます。 ほどほどで止めておかないと・・・。

2 comments:

Chiaki said...

実際に間近で見る名画はさぞや迫力があることでしょうね。

ISAO said...

こうやって世界中を旅していると、名だたる美術館は制覇していますが、まだロシアのエルミタージュだけは行った事がないので、いつかは訪ねてみたいと思っています。
ちなみに自分が一番大好きな美術館は、ローマのボルゲーゼ美術館です。